ちょっとした傷ができた場合、自分で治療することもありますね。でも選ぶ消毒薬や治療法を間違えると、化膿したり状態が悪化する可能性があるんです! また、傷の状態によって自分で治療せず、病院を受診をした方がいい場合もあります。

今回はケガをしたとき、どのように処置すればいいのか、詳しい話を医師にうかがってきました。

自分で処置するとき

まず重要なのは何でケガをしたかです。

1. 清潔なもので、深く細いもの(釘など)でない場合
消毒薬で消毒し絆創膏で傷をカバーします。

2. 汚いもので浅く傷つけた場合
・出血がある程度止まったら、傷の表面を流水で洗い、汚れを落とします。
・そのうえで消毒薬で消毒し、絆創膏を貼ります。
・1週間くらいは絆創膏を毎日変える必要があります。
・傷に膿があればそのつど消毒薬で消毒して下さい。

病院に行く必要があるとき

以下のような場合は、病院で受診してください。

1. 抗生物質が必要な場合
数日たっても膿が消えない、傷の周囲に熱がある場合は、抗生剤の内服が必要である可能性があります。

2. 汚れた釘などでケガをした場合
破傷風の予防注射を受けたのが数年前であれば、追加で接種した方がいいので、そのことも受診時に申告して下さい。

3. 傷口を自分で洗えない場合
病院では傷口が汚れている場合は、まず周囲に麻酔薬を打ってから歯ブラシなどで傷をきれいにし、治療を開始します。自分で完全にきれいにできない傷は、流水でできるだけ傷を洗い、消毒薬で消毒してから、早めに受診して下さい。

4. そのほか、傷の状態が単純ではない場合
・傷が1cm以上の深さ
・傷口が開いてしまっている
・圧迫しても血が止まらない
・動かしてしまって安静が保てない箇所の傷(指など)
などの場合は自分で治療をするのは難しく、治癒に時間がかかったり、傷あとが残る可能性がありますので、病院を受診して下さい。

家庭での治療に使う消毒薬はどんなものがいいの?

ケガの治療薬(消毒薬、絆創膏、パウダー消毒液など)についてですが、消毒薬は市販のもので構いません。ただし色がつく消毒薬は傷口の観察に適しませんので使わない方がいいでしょう。出血がある程度止まっていれば、流水でゴミや泥等の傷の汚れを落としてから消毒薬を使うようにして下さい。

絆創膏は傷を保護するために必要なものですが、少なくともケガをしてから数日間は、毎日交換する必要があります。傷を必要以上に圧迫しないようにし、絆創膏が濡れてしまった場合は交換して下さい。かさぶたが取れ、傷口も閉じれば、絆創膏はつけなくてもいいでしょう。

パウダー消毒液は医療現場ではあまり使いません。傷の状態がわかりにくくなり、付着した消毒液を取り除くことが難しくなるからです。このため、パウダー消毒液は傷が浅く、きれいな場合に限って使用してください。

医師からのアドバイス

細菌感染が疑われる場合は専門的な治療が必要です。また、傷口が深く開いている場合や、安静に保てない場所の傷は傷口を縫った方が、早くきれいに治りますので病院を受診して適切な治療を受けて下さい。

(監修:Doctors Me 医師)