「B型肝炎」といえば、誰しも耳にはしたことがある病名だと思いますが、具体的にどんな病気かご存知でしょうか?
そこで今回は、誰しも感染するリスクのあるB型肝炎について医師に解説していただきました。
通常、肝臓は自己再生能力の高い臓器ですので、炎症によって肝細胞が破壊されてもすぐに再生されます。
しかし、再生される時に全く同じには再生されずに、肝臓に繊維化という傷が残ってしまいます。何回も肝細胞が破壊と再生とを繰り返すにつれて繊維化も進み徐々に肝臓は硬くなって肝硬変になります。
また、破壊と再生とを繰り返すうちに、遺伝子にも傷がついて必ずしも肝硬変にならなくても肝臓癌が発生することもあります。
B型肝炎は血液や体液を介して感染しますので、B型肝炎ウイルスに汚染されている血液や体液を避けることで、感染を予防することができます。
その他にも以下のような症状が現れます。
・食欲不振
・右上腹部痛
・黄疸
この程度まででしたら、安静にしていれば大部分の場合は自然に治ります。
しかし中には劇症肝炎になることがあります。黄疸がさらにひどくなり、腹水が溜まり、意識障害が起こって、出血しやすくなります。ここまで炎症がひどくなると専門的な治療を受けても命を落としてしまうことが少なくありません。
また、以下の症状の場合は黄疸がある可能性があります。
・白眼が黄色い
・尿の色が濃い
・便の色が薄い
炎症の程度にもよりますが、原則的な治療は安静で、食欲がない場合は点滴をします。
血液検査で肝障害のピークが越えたことの確認が必要です。劇症肝炎が疑われる時は、症状に応じた治療が必要ですが、透析や肝移植が必要になることもあります。
また、もしも自分のパートナーがB型肝炎に感染していた場合、まずは自分にB型肝炎ウイルスの抗体があるかどうかを血液検査で確認して下さい。抗体があれば感染することありませんが、ない場合はワクチンを受けて下さい。
数回のワクチン接種で大部分の人は抗体が陽性になります。抗体は数年で値が下がってしまう場合があるので時々検査が必要です。
現在は妊娠がわかると母親はB型肝炎ウイルスの有無をチェックを受け、ウイルスがいる場合、生まれた子供には出産後直ちにワクチン等の治療によって、母親から子供への感染はほぼなくなりました。
小児期に感染するのと異なり、大人が感染すると大部分は症状を出さない不顕性感染で済みますが、急性肝炎あるいは劇症肝炎になることがあります。
このため感染する可能性がある場合はワクチンを接種して、B型肝炎ウイルスに対する抗体を獲得する必要があります。
一般的にキャリアーではB型肝炎ウイルスの量が多いので感染力が強く、思春期になるとセロコンバージョンといって免疫によってウイルスを排除する働きが起こります。
上手く行くとキャリアーのままでもウイルス量が減って感染力が弱くなりますが、キャリアーのまま、慢性肝炎に移行する場合があります。またキャリアーでは抗がん剤等の免疫に作用する薬によって急性増悪することがあります。
(監修:Doctors Me 医師)
そこで今回は、誰しも感染するリスクのあるB型肝炎について医師に解説していただきました。
B型肝炎とは?体内でどんなことが起きますか?
B型肝炎とはB型肝炎ウイルスの感染によって、肝臓に慢性の炎症が起こる病気です。通常、肝臓は自己再生能力の高い臓器ですので、炎症によって肝細胞が破壊されてもすぐに再生されます。
しかし、再生される時に全く同じには再生されずに、肝臓に繊維化という傷が残ってしまいます。何回も肝細胞が破壊と再生とを繰り返すにつれて繊維化も進み徐々に肝臓は硬くなって肝硬変になります。
また、破壊と再生とを繰り返すうちに、遺伝子にも傷がついて必ずしも肝硬変にならなくても肝臓癌が発生することもあります。
B型肝炎は血液や体液を介して感染しますので、B型肝炎ウイルスに汚染されている血液や体液を避けることで、感染を予防することができます。
B型肝炎に感染するとどのような症状が出ますか?
B型肝炎に感染すると急性肝炎となりますが、炎症の程度には個人差があります。全く症状がない、あるいは風邪のような症状で治まる場合が多いです。その他にも以下のような症状が現れます。
・食欲不振
・右上腹部痛
・黄疸
この程度まででしたら、安静にしていれば大部分の場合は自然に治ります。
しかし中には劇症肝炎になることがあります。黄疸がさらにひどくなり、腹水が溜まり、意識障害が起こって、出血しやすくなります。ここまで炎症がひどくなると専門的な治療を受けても命を落としてしまうことが少なくありません。
医療機関に行くべき症状の目安は黄疸?
体のどこかに黄疸があれば、必ず受診して下さい。また、以下の症状の場合は黄疸がある可能性があります。
・白眼が黄色い
・尿の色が濃い
・便の色が薄い
炎症の程度にもよりますが、原則的な治療は安静で、食欲がない場合は点滴をします。
血液検査で肝障害のピークが越えたことの確認が必要です。劇症肝炎が疑われる時は、症状に応じた治療が必要ですが、透析や肝移植が必要になることもあります。
感染を予防するためにできることはありますか?
汚染されている血液と体液とを避けることです。汚染されている血液や体液に手で触れる程度では感染しませんが、血液や体液がつく可能性があるタオル、食器、歯ブラシ等を共用することは避けて下さい。また、もしも自分のパートナーがB型肝炎に感染していた場合、まずは自分にB型肝炎ウイルスの抗体があるかどうかを血液検査で確認して下さい。抗体があれば感染することありませんが、ない場合はワクチンを受けて下さい。
数回のワクチン接種で大部分の人は抗体が陽性になります。抗体は数年で値が下がってしまう場合があるので時々検査が必要です。
妊娠した場合、胎児に影響はありますか?
B型肝炎は血液や体液を介して感染します。以前は出産時の母親から子供への感染が問題でした。現在は妊娠がわかると母親はB型肝炎ウイルスの有無をチェックを受け、ウイルスがいる場合、生まれた子供には出産後直ちにワクチン等の治療によって、母親から子供への感染はほぼなくなりました。
小児期に感染するのと異なり、大人が感染すると大部分は症状を出さない不顕性感染で済みますが、急性肝炎あるいは劇症肝炎になることがあります。
このため感染する可能性がある場合はワクチンを接種して、B型肝炎ウイルスに対する抗体を獲得する必要があります。
子どもが感染するとどうなりますか?
小児期にB型肝炎に感染するとキャリアー(ウイルスを体内に保有している人の意味)となります。一般的にキャリアーではB型肝炎ウイルスの量が多いので感染力が強く、思春期になるとセロコンバージョンといって免疫によってウイルスを排除する働きが起こります。
上手く行くとキャリアーのままでもウイルス量が減って感染力が弱くなりますが、キャリアーのまま、慢性肝炎に移行する場合があります。またキャリアーでは抗がん剤等の免疫に作用する薬によって急性増悪することがあります。
医師からのアドバイス
今までは成人してからB型肝炎に感染するとほとんどは慢性肝炎にはならないと考えられていましたが、慢性化する型のB型肝炎ウイルスが入ってきていますので、注意が必要です。(監修:Doctors Me 医師)