生理前になると、訳もないのに無性にイライラたり、やる気がなくなったりしてしまう…経験のあるかたも多いのではないでしょうか?
もしかしたらそれって、月経前症候群かもしれませんよ。
今回は生理前のイライラの原因、オススメの対処法について、医師のアドバイスを聞きました。
女性の生理周期や妊娠を維持するのに大切な女性ホルモンが2つのあると言われていて、一つはエストロゲン(卵胞ホルモン)、もう一つはプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
エストロゲンには、自律神経の働きを正常にして、気持ちを穏やかにさせる効果があります。なぜなら、エストロゲンには血管の収縮を抑制する働きがあるからです。そのため、体が血行不良に陥いるのを防いでくれるのです。
また、更年期を過ぎた女性は骨粗鬆症になるリスクが上がると言われますが、それはエストロゲンに骨を形成する働きもあるからです、
そのため、更年期を迎えてエストロゲンの分泌が減少すると、骨がもろくなりやすくなるということです。
エストロゲンが気持ちを穏やかにさせる作用があるのとは逆に、プロゲステロンの分泌が多くなるとイライラしたり感情の起伏が激しくなるなど情緒不安定に陥りやすくなります。
ただ、プロゲステロンは妊娠状態の維持には欠かすことのできないホルモンでもあるのです。
なぜなら、プロゲステロンには基礎体温を上昇させる働きがあるからです。また、乳腺を形成する働きもあるので、出産や妊娠にとってはとても重要なホルモンです。
生理前になると、これら2つのホルモンの分泌のバランスが変化し、プロゲステロンがエストロゲンよりも多く分泌されるようになります。
これが、生理の約7日~10日前頃から不快な症状、すなわちPMS(月経前症候群)が起こる原因ではないかといわれています。
PMSは月経前症候群とか月経前緊張症などとも言われ、月経がはじまる7日から10日ほど前から体にさまざまな不調をもたらすものとして知られており、多かれ少なかれ女性であれば誰にでも起こりうる現象です。
PMSの原因についてははっきりとしたことが分かっていませんが、女性ホルモンが関与しているのではないかと考えられています。
また、PMSで現れる症状は、精神的なものだけではなく、身体的なトラブルまで多岐に渡っているということです。
PMSが精神面に及ぼす影響としては、イライラしやすくなったり攻撃的になったり、些細なことで怒りを制御できなくなったりします。
また、逆に訳もなく不安になったり、やる気が出なくなったりと、気持ちが不安定になることもあるということです。
PMSが身体面に及ぼす影響としては、乳房の張りや痛み、便秘や腹部膨満感、腰痛や下腹部痛、むくみや体重増加、頭痛や吐き気など様々なものが挙げられています。
そして、精神的症状、肉体的症状ともに、生理が始まると収まるというのがPMSの特徴です。
PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)とは、月経前不快気分障害と言われる疾患で、PMSの中でも、精神的な症状が特にひどいもののことをいいます。
症状的にはPMSと似ているのですが、輪をかけてひどい症状が現れるのが特徴です。
PMDDの原因についてもはっきりとしたことは分かっていないようですが、やはり女性ホルモンのバランスが乱れることが原因ではないかと考えられています。
また、脳内の神経伝達物質の働きに不具合が起きている可能性も指摘されています。
もし、月経前にPMSで見られる不調が現れている方で、下記の10項目の内、5個以上該当するような場合、もしかしたらPMDDかもしれません。
一度チェックしてみて、もし当てはまるような場合には一度お医者さんに相談してみましょう。
・集中力が低下して何も手につかない
・自分の存在なんてどうでもよいと感じてしまう
・不安や緊張を抑えることが出来ない
・何かに圧迫されているような気分になる
・睡眠不足、もしくは睡眠過多になっている
・なにごとにも興味が持てない
・食欲減退、もしくは食欲過多が見られる
・疲れやすくてやる気が起きない
・感情のコントロールが困難である
・他人とぶつかることが増えている
PMDDはもちろんのこと、PMSについても最近になって知られるようになったもので、まだまだ周囲、特に男性へのりかいがすすんでいるとは言えないのが現状です。
そのため、単にやる気がないだけ、などと追い込まれてしまうことで、最悪の場合は命を絶ってしまうことにもつながりかねません。
最悪の結果にならないためにも、上記のような症状が現れているような場合には、速やかに医療機関を受診して、治療を受けるようにして下さい。
まずは自分の気分の変化と生理周期をしっかり把握しましょう。基礎体温をつけたり、生理の日をしっかり記録したりして、自分が不調になる時期を予測できると、心構えも変わってきます。
PMSは近年になって知られるようになった疾患で、医師の間でもまだ知られていないことがあるそうです。いわんや一般男性においてをや、ということです。単に「わがまま」とか「機嫌が悪いだけ」ととられかねません。
月経前症候群とは正確には病名ではありませんが、それはまだこの状態に対する理解が進んでいないことを表しているとも言えます。そのため、周囲の人にこういう症状がある、と理解してもらうことも大切となります。
PMSに限ったことではありませんが、疲労やストレス、睡眠不足などがあると、体の回復機能が低下してしまいます。特にPMSではそういった症状が増強されてしまうので、日頃から規則正しい生活を送るようにしましょう。
カフェインや糖分、塩分や脂肪などを摂り過ぎてしまうと症状をひどくするため、普段からバランスのとれた食事をとるようにしましょう。
また、喫煙やアルコール、冷たい飲み物の摂りすぎもリスクファクターとなるので控えるようにしましょう。
冷えはPMSを悪化させて志摩ので、体を冷やさないようにし、適度な運動をするようにしましょう。ゆっくりと入浴したり、睡眠前のスマホの利用を避け、質のよい睡眠をとることも大切です。
鉄欠乏性貧血があると、症状がひどくなることも知られています。普段からしっかりと食事をとるよう心がけましょう。また、内膜症などがあればその治療を含め、婦人科を受診しましょう。
PMSで実際に不調が出ているような時にはなるべく無理をせず、好きな音楽を聴いたり、好きな香りのアロマを楽しんだりして、リラックスをするように心がけましょう。
靴下を2枚重ねて履いたり、ぬるめのお湯などでゆっくりと半身浴をするなどして、体を温めるといいでしょう。血液の循環が良くなれば、不快感を低下させることが期待できますし、リラクゼーション効果もあります。
ストレスがかかるような仕事や用事がある場合には、可能であればあらかじめずらしたり、または早めに済ませておいて、PMSと時期がかぶらないようにすることも対策として有効です。
(監修:Doctors Me 医師)
もしかしたらそれって、月経前症候群かもしれませんよ。
今回は生理前のイライラの原因、オススメの対処法について、医師のアドバイスを聞きました。
生理前になると女性がイライラしたりする原因はなんなのでしょうか?
ホルモンバランスの変化
女性の生理周期や妊娠を維持するのに大切な女性ホルモンが2つのあると言われていて、一つはエストロゲン(卵胞ホルモン)、もう一つはプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
エストロゲンの働き
エストロゲンには、自律神経の働きを正常にして、気持ちを穏やかにさせる効果があります。なぜなら、エストロゲンには血管の収縮を抑制する働きがあるからです。そのため、体が血行不良に陥いるのを防いでくれるのです。
また、更年期を過ぎた女性は骨粗鬆症になるリスクが上がると言われますが、それはエストロゲンに骨を形成する働きもあるからです、
そのため、更年期を迎えてエストロゲンの分泌が減少すると、骨がもろくなりやすくなるということです。
プロゲステロンの働き
エストロゲンが気持ちを穏やかにさせる作用があるのとは逆に、プロゲステロンの分泌が多くなるとイライラしたり感情の起伏が激しくなるなど情緒不安定に陥りやすくなります。
ただ、プロゲステロンは妊娠状態の維持には欠かすことのできないホルモンでもあるのです。
なぜなら、プロゲステロンには基礎体温を上昇させる働きがあるからです。また、乳腺を形成する働きもあるので、出産や妊娠にとってはとても重要なホルモンです。
生理の仕組み
生理前になると、これら2つのホルモンの分泌のバランスが変化し、プロゲステロンがエストロゲンよりも多く分泌されるようになります。
これが、生理の約7日~10日前頃から不快な症状、すなわちPMS(月経前症候群)が起こる原因ではないかといわれています。
PMS(月経前症候群)は生理前の体に様々な不調をもたらします
PMSとは
PMSは月経前症候群とか月経前緊張症などとも言われ、月経がはじまる7日から10日ほど前から体にさまざまな不調をもたらすものとして知られており、多かれ少なかれ女性であれば誰にでも起こりうる現象です。
PMSの原因についてははっきりとしたことが分かっていませんが、女性ホルモンが関与しているのではないかと考えられています。
また、PMSで現れる症状は、精神的なものだけではなく、身体的なトラブルまで多岐に渡っているということです。
精神的症状
PMSが精神面に及ぼす影響としては、イライラしやすくなったり攻撃的になったり、些細なことで怒りを制御できなくなったりします。
また、逆に訳もなく不安になったり、やる気が出なくなったりと、気持ちが不安定になることもあるということです。
身体的症状
PMSが身体面に及ぼす影響としては、乳房の張りや痛み、便秘や腹部膨満感、腰痛や下腹部痛、むくみや体重増加、頭痛や吐き気など様々なものが挙げられています。
そして、精神的症状、肉体的症状ともに、生理が始まると収まるというのがPMSの特徴です。
PMSよりも怖いPMDD(月経前不快気分障害)も知っておいてください!
PMDDとは
PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)とは、月経前不快気分障害と言われる疾患で、PMSの中でも、精神的な症状が特にひどいもののことをいいます。
症状的にはPMSと似ているのですが、輪をかけてひどい症状が現れるのが特徴です。
PMDDの原因についてもはっきりとしたことは分かっていないようですが、やはり女性ホルモンのバランスが乱れることが原因ではないかと考えられています。
また、脳内の神経伝達物質の働きに不具合が起きている可能性も指摘されています。
PMDDのチェックリスト
もし、月経前にPMSで見られる不調が現れている方で、下記の10項目の内、5個以上該当するような場合、もしかしたらPMDDかもしれません。
一度チェックしてみて、もし当てはまるような場合には一度お医者さんに相談してみましょう。
・集中力が低下して何も手につかない
・自分の存在なんてどうでもよいと感じてしまう
・不安や緊張を抑えることが出来ない
・何かに圧迫されているような気分になる
・睡眠不足、もしくは睡眠過多になっている
・なにごとにも興味が持てない
・食欲減退、もしくは食欲過多が見られる
・疲れやすくてやる気が起きない
・感情のコントロールが困難である
・他人とぶつかることが増えている
最悪の場合自殺願望にまで
PMDDはもちろんのこと、PMSについても最近になって知られるようになったもので、まだまだ周囲、特に男性へのりかいがすすんでいるとは言えないのが現状です。
そのため、単にやる気がないだけ、などと追い込まれてしまうことで、最悪の場合は命を絶ってしまうことにもつながりかねません。
最悪の結果にならないためにも、上記のような症状が現れているような場合には、速やかに医療機関を受診して、治療を受けるようにして下さい。
PMSによる生理前のイライラを上手に乗り切る6つのポイント!
生理の来るタイミングを知る
まずは自分の気分の変化と生理周期をしっかり把握しましょう。基礎体温をつけたり、生理の日をしっかり記録したりして、自分が不調になる時期を予測できると、心構えも変わってきます。
周りの理解を得る
PMSは近年になって知られるようになった疾患で、医師の間でもまだ知られていないことがあるそうです。いわんや一般男性においてをや、ということです。単に「わがまま」とか「機嫌が悪いだけ」ととられかねません。
月経前症候群とは正確には病名ではありませんが、それはまだこの状態に対する理解が進んでいないことを表しているとも言えます。そのため、周囲の人にこういう症状がある、と理解してもらうことも大切となります。
規則正しい生活
PMSに限ったことではありませんが、疲労やストレス、睡眠不足などがあると、体の回復機能が低下してしまいます。特にPMSではそういった症状が増強されてしまうので、日頃から規則正しい生活を送るようにしましょう。
食習慣の改善
カフェインや糖分、塩分や脂肪などを摂り過ぎてしまうと症状をひどくするため、普段からバランスのとれた食事をとるようにしましょう。
また、喫煙やアルコール、冷たい飲み物の摂りすぎもリスクファクターとなるので控えるようにしましょう。
体調を整える
冷えはPMSを悪化させて志摩ので、体を冷やさないようにし、適度な運動をするようにしましょう。ゆっくりと入浴したり、睡眠前のスマホの利用を避け、質のよい睡眠をとることも大切です。
貧血・内膜症のケア
鉄欠乏性貧血があると、症状がひどくなることも知られています。普段からしっかりと食事をとるよう心がけましょう。また、内膜症などがあればその治療を含め、婦人科を受診しましょう。
PMSで生理前にイライラした時のオススメの過ごし方について
リラックス
PMSで実際に不調が出ているような時にはなるべく無理をせず、好きな音楽を聴いたり、好きな香りのアロマを楽しんだりして、リラックスをするように心がけましょう。
体を温める
靴下を2枚重ねて履いたり、ぬるめのお湯などでゆっくりと半身浴をするなどして、体を温めるといいでしょう。血液の循環が良くなれば、不快感を低下させることが期待できますし、リラクゼーション効果もあります。
仕事を調整する
ストレスがかかるような仕事や用事がある場合には、可能であればあらかじめずらしたり、または早めに済ませておいて、PMSと時期がかぶらないようにすることも対策として有効です。
まとめ
イライラなどの症状が強くてつらかったり、日常生活や社会生活に差し障りがあるようでしたら、我慢せず婦人科を受診するようにしましょう。(監修:Doctors Me 医師)