ステロイドは薬として多様性があることは分かっていても、副作用の強さの面や、スポーツ選手がドーピング剤として使用したニュースのイメージなどもあり、中には良いイメージがない方もいるかもしれませんね。
実際、私たちの身近なところでも使用されているステロイド。そこで今回は、ステロイドの基礎知識を分かりやすくご紹介いたします。
□ステロイドの種類は全4種
□ステロイドを使用した身近な薬を理解しよう
□ステロイドの副作用は事前に確認し使用すること
ステロイドは体内の副腎で生成される副腎皮質ホルモンのことになります。このホルモンの事をステロイドホルモンと呼びますが、ステロイドホルモンと同じ成分を化学的に生成したものをステロイド薬として使用しているのです。
種類は大きく分けて4つが挙げられます。
主に治療に使用されるものとなります。
腎臓で生成されるホルモンのことで、体内の水分や電解質を調整してくれます。また、血圧を上げる効果も発揮します。
男性ホルモンに含まれている成分であり、男性の精巣などで生成されます。主に筋肉や骨の生成を促進する働きがあります。
鉱質コルチコイドとテストステロンを掛け合わせたもので、主に筋力増強剤として使用されるものです。
また、中枢神経に対して成長ホルモンの分泌抑制を行い、腎臓に対してインスリン様成長因子発現抑制を行います。
糖質コルチコイドは全身の細胞の増殖や成長を抑制する効果を発揮します。この効果を期待して、治療薬として使用しているのです。
ステロイドを使用した薬には、どのようなものがあるのでしょうか?代表的なものを3つご紹介します。
内服薬と言っても、錠剤であったり散剤、内服液もあります。主な効能としては、抗炎症作を期待してのものがほとんどです。体の中の炎症を抑制することを目的に使用する事が多く、また体の免疫力を抑制することも出来ます。
注射や点滴としても活用する事があります。炎症のある患部に直接注射して炎症を抑えることができます。また、点滴の場合は主に術後の鎮痛などで使用されることが多くなっていますが、喘息や腎臓病の治療でも活用されています。
ステロイドは軟膏として使用するケースがあります。これは、主に皮膚の赤みやかゆみを抑制することができます。かなり一般的で、市販薬としても販売されているものがありますね。
まず気を付けたいのは、他の病気を発症している時にステロイドが投与されると、その病気が助長されてしまうことがある点です。
代表的な病気としては、糖尿病や肝硬変、骨粗しょう症があります。
また、他の薬を服用している時にも要注意です。先に取り上げた糖尿病の治療薬として有名なインスリンは、ステロイドとは相性が良くないことで知られています。
他にも、組み合わせ次第で薬能の低下や増強がされるケースがありますので、処方される際には内服している薬をしっかり伝えることが必要です。
他の要因として、高齢者や妊婦、授乳婦、小児にステロイドの投与は注意が必要です。簡単にいえば、高齢者や子供には注意が必要なのです。
妊婦の場合は、胎児奇形のリスクが有ることを十分認識して下さい。
ステロイドのネガティブなイメージとして、やはりドーピング剤という側面があります。
先に紹介したとおり、アナボリックステロイドは筋肉増強の効果があり、1960年代まではスポーツ選手も当たり前のように使用されています。
ただ、スポーツ精神に反するとして1975年に国際オリンピック委員会において禁止薬物に指定されました。
ただ、その後もステロイドによるドーピングは撲滅とは行かず、1988年のソウル・オリンピックではベン・ジョンソンがドーピング検査に引っかかり、金メダルが剥奪されます。
逆に、これがドーピングに関する関心の高まりを呼んだ一因となっています。もちろん、アナボリックステロイドにも副作用が存在しており、肝障害や高コルステロール血症、糖尿病などを誘発させてしまいます。
特にステロイドが蔓延していたアメリカのプロレス界では、ステロイドを使用していたレスラーが後遺症に悩むケースが後を絶たない状況となっています。
いかがでしたでしょうか?ステロイドはものすごい効能を得ることができる薬であること、そして副作用もあることを紹介しました。
使い方さえ誤らなければ、有効なものであることには違いありませんので、有効に活用したいですね。
(監修:Doctors Me 医師)
実際、私たちの身近なところでも使用されているステロイド。そこで今回は、ステロイドの基礎知識を分かりやすくご紹介いたします。
要チェック項目
□ステロイドの種類は全4種
□ステロイドを使用した身近な薬を理解しよう
□ステロイドの副作用は事前に確認し使用すること
ステロイドとはどんな薬なのか?
ステロイドは体内の副腎で生成される副腎皮質ホルモンのことになります。このホルモンの事をステロイドホルモンと呼びますが、ステロイドホルモンと同じ成分を化学的に生成したものをステロイド薬として使用しているのです。
種類は大きく分けて4つが挙げられます。
1.糖質コルチコイド
主に治療に使用されるものとなります。
2.鉱質コルチコイド(アルドステロン)
腎臓で生成されるホルモンのことで、体内の水分や電解質を調整してくれます。また、血圧を上げる効果も発揮します。
3.テストステロン
男性ホルモンに含まれている成分であり、男性の精巣などで生成されます。主に筋肉や骨の生成を促進する働きがあります。
4.アナボリックステロイド
鉱質コルチコイドとテストステロンを掛け合わせたもので、主に筋力増強剤として使用されるものです。
ステロイドの中でも重要な糖質コルチコイドとは?
糖質コルチコイドの主な働きは、タンパク質を糖化する作用があります。このことを脱アミノ基と呼びますが、この行動により血糖値を上昇することができます。また、中枢神経に対して成長ホルモンの分泌抑制を行い、腎臓に対してインスリン様成長因子発現抑制を行います。
糖質コルチコイドは全身の細胞の増殖や成長を抑制する効果を発揮します。この効果を期待して、治療薬として使用しているのです。
ステロイド薬にはどんなものがあるの?
ステロイドを使用した薬には、どのようなものがあるのでしょうか?代表的なものを3つご紹介します。
内服薬
内服薬と言っても、錠剤であったり散剤、内服液もあります。主な効能としては、抗炎症作を期待してのものがほとんどです。体の中の炎症を抑制することを目的に使用する事が多く、また体の免疫力を抑制することも出来ます。
注射・点滴
注射や点滴としても活用する事があります。炎症のある患部に直接注射して炎症を抑えることができます。また、点滴の場合は主に術後の鎮痛などで使用されることが多くなっていますが、喘息や腎臓病の治療でも活用されています。
軟膏
ステロイドは軟膏として使用するケースがあります。これは、主に皮膚の赤みやかゆみを抑制することができます。かなり一般的で、市販薬としても販売されているものがありますね。
ステロイドの副作用にはどんなものがあるの?
まず気を付けたいのは、他の病気を発症している時にステロイドが投与されると、その病気が助長されてしまうことがある点です。
代表的な病気としては、糖尿病や肝硬変、骨粗しょう症があります。
また、他の薬を服用している時にも要注意です。先に取り上げた糖尿病の治療薬として有名なインスリンは、ステロイドとは相性が良くないことで知られています。
他にも、組み合わせ次第で薬能の低下や増強がされるケースがありますので、処方される際には内服している薬をしっかり伝えることが必要です。
他の要因として、高齢者や妊婦、授乳婦、小児にステロイドの投与は注意が必要です。簡単にいえば、高齢者や子供には注意が必要なのです。
妊婦の場合は、胎児奇形のリスクが有ることを十分認識して下さい。
なぜステロイドはドーピング剤となるの?
ステロイドのネガティブなイメージとして、やはりドーピング剤という側面があります。
先に紹介したとおり、アナボリックステロイドは筋肉増強の効果があり、1960年代まではスポーツ選手も当たり前のように使用されています。
ただ、スポーツ精神に反するとして1975年に国際オリンピック委員会において禁止薬物に指定されました。
ただ、その後もステロイドによるドーピングは撲滅とは行かず、1988年のソウル・オリンピックではベン・ジョンソンがドーピング検査に引っかかり、金メダルが剥奪されます。
逆に、これがドーピングに関する関心の高まりを呼んだ一因となっています。もちろん、アナボリックステロイドにも副作用が存在しており、肝障害や高コルステロール血症、糖尿病などを誘発させてしまいます。
特にステロイドが蔓延していたアメリカのプロレス界では、ステロイドを使用していたレスラーが後遺症に悩むケースが後を絶たない状況となっています。
ステロイドは用途に合わせて正しく使おう
いかがでしたでしょうか?ステロイドはものすごい効能を得ることができる薬であること、そして副作用もあることを紹介しました。
使い方さえ誤らなければ、有効なものであることには違いありませんので、有効に活用したいですね。
(監修:Doctors Me 医師)