人格障害は、本人に発症しても辛いものですし、周囲の人にとっても付き合い方に悩む病気の一つです。

ただ、最近では治療法も徐々に確立されつつありますので、人格障害は決して厄介な病気ではないのです。

今回は、人格障害の原因や治療法、そして上手く付き合っていく方法について紹介します。

要チェック項目


□人格障害は3つの特徴で分類されている
□人格障害は年齢とともに徐々に快方に向かう
□人格障害の治療法は主に2つ

人格障害とはどんな病気!?


人格障害とは具体的にはどのような病気なのでしょうか?最近ではパーソナリティ障害という言葉でも表現されることが多くなりましたが、大きく分けて3つの症状に分類されます。

今回は、アメリカ精神医学会で分類されている3つの症状で紹介します。

A群



妄想性パーソナリティー障害、統合失調質パーソナリティー障害、統合失調型パーソナリティー障害に細分化されます。

共通して、奇妙な言動が多く、風変わりというものがあります。最も危険なものとして妄想性パーソナリティー障害があり、自分勝手な妄想を行なうことで人間が信用出来ないようになります。

その結果、他人に復讐をするなど他人をも傷つける事があります。

B群



自己愛性パーソナリティー障害、演技性パーソナリティー障害、反社会性パーソナリティー障害、境界性パーソナリティ障害があります。

共通してナルシストであったり自分自身が何かを常に演じているかのような状態の方を言います。

非常に危険なのは反社会性パーソナリティー障害であり、サイコパスに分類されていた時期もあります。この状態となると人間としての理性に欠けるようになり、罪悪感を感じないので犯罪を起こしてしまうケースもあります。

C群



回避性パーソナリティー障害、依存性パーソナリティー障害、強迫性パーソナリティー障害に細分化されます。

共通して抑うつ的な行動や思想にかられる人の事を言います。完全に内面に入ってしまうので、他人には大きく迷惑はかけませんが本人には強いストレスがかかり、自傷してしまうケースもあるので、決して安心できるわけではありません。

人格障害の発症原因は?


人格障害の発症原因としては、実はまだまだ解明できていないのが実情です。ただ、現時点で明らかになっている要因としては、生まれ持っての性格であったり家庭環境などが挙げることができます。

人間の性格は生まれもってある程度決定されるわけですが、育ってきた環境などでももちろん変化していきます。例えば、母親から十分な愛情を受けることなく育つと、自分自身の感情のコントロールが上手くできない性格となるケースもあります。

また、親の教育方針などで、例えば常に厳しい目標を課せられて育つと、それを上手く達成する優等生を演じる人格が形成される事があります。

このように、人格障害は先天的な性格だけでなく、後天性により形成される性格によっても発症するリスクが有ることをご理解ください。

人格障害の主な症状は?

人格障害の方は、様々な症状が見られます。ここでは、代表的な症状を紹介します。

コミュニケーションが取れなくなる



人格障害となると、基本的に他人とのコミュニケーションが円滑に出来なくなるのが一般的です。喜怒哀楽が激しい場合は、他人もどのように付き合っていけばわからなくなり、やがてコミュニケーションが取りにくくなってしまいます。

また、本人がネガティブな思考となってしまい、人付き合いが怖くなり人格障害の方から自然と人から遠のいてしまうケースがあります。こちらも、コミュニケーションが上手く取れなくなる典型例です。

依存症に陥る



人格障害においては、何かに依存しないと自己を保つことができなくなるケースがあります。

例えば、アルコール依存や過食、薬物依存に陥ることもあります。こうなると、身体的にも異常をきたすことがありますし、薬物中毒の場合は犯罪にもつながります。

傷つける行動を取る



最も怖いのが、傷つける行動を取るケースがある点です。

反社会性パーソナリティー障害の場合は他人を傷つけてしまいますし、抑うつ的な行動を取る人格障害の場合は自傷行為に及んでしまいます。この場合は、真っ先に人格障害の治療に入る事が重要です。

人格障害の治療法はあるの?

人格障害の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?まだはっきりとした発症原因が判明していないこともあり、根本的な治療法は確立されていません。

ただ、有効な治療法ができつつあります。

薬物治療



最も一般的なのは薬物治療です。これは、精神的に落ち着かない場合にとられるもので、うつ病と似た薬物治療が行われます。実際に抗うつ剤や抗不安剤が処方されます。

精神治療



薬物治療と平行して、治療法である精神科や臨床心理による治療を行います。

これは即効性があるわけではなく、じっくりと根気強く治療していくことが重要になります。

人格障害の方とのつきあい方は?


人格障害の方が周りにいる場合は、まずはその人の行動をしっかり把握して冷静に付き合っていくことが重要です。まずは、そのパーソナリティを受け入れることからスタートしましょう。

その後、必要以上にその人を否定せず、ある程度認めつつ正しい道へ導くというのも重要なのです。とにかく、しっかりと現状把握して冷静な対応を心がけて下さい。

人格障害もこれで怖くない!


いかがでしたでしょうか?人格障害は何かと大変な病気であるイメージですが、時間はかかりますが治療をしっかり行えばある程度快方に向かうものです。

まずは人格障害をよく知ることからスタートしてくださいね。

(監修:Doctors Me 医師)