マクロライド系抗生物質の1つであるクラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド)。様々な感染症の治療に使われています。
ここではクラリスロマイシンの効果や、使い方、注意することなどをまとめました。
□クラリスロマイシンはマクロライド系抗生物質に分類され幅広い感染症に用いられる
□年齢や体重、症状によって剤形や用法用量が異なる
□ドライシロップは苦味が強い薬なので甘いものと飲み合わせるなど工夫して服用すると良い
クラリスロマイシンは細菌の70S系のリボソ-ムの50Sサブユニットと結合することで蛋白質を合成するのを阻害する作用を持ちます。
それによって菌を殺す効果を発揮するお薬です。幅広い抗菌スペクトラムを持ち呼吸器感染症や皮膚感染症、扁桃炎、副鼻腔炎など数多くの感染症の治療に有効と言われています。
また、アモキシシリン、プロトンポンプインヒビターと併用してヘリコバクター・ピロリ菌の感染症にも用いられます。炎症を抑える効果を持ち合わせている抗生物質としても知られています。
副作用として知られているのが下痢です。腸内にいるお腹の調子を整える細菌も殺してしまうことが原因だと考えられています。
効果を発揮するためには水のようなひどい下痢にならないうちは服用をやめないようにして下さい。下痢症状がひどくなったら医師に相談するようにして下さい。
ドライシロップは10%小児用の1種類です。ドライシロップは錠剤を飲み込むのが困難な小さなお子様によく処方されます。
・クラリスロマイシン200mgの場合
1回1錠を1日2回に分けて経口投与
1回2錠を1日2回に分けて経口投与
1回1錠、(アモキシシリンとプロトンポンプインヒビターの3錠併用療法)を1日2回 7日間経口投与
・クラリスロマイシン50mg、クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用の場合
小児には1日10~15mg/kgを2~3回に分けて服用。レジオネラ肺炎に対してのみ1日15mg/kgを2~3回に分けて経口投与。
小児には1日15mg/kgを2回に分けて経口投与
抗生物質は処方された日数分をきちんと飲み切ることで効果を発揮します。これらの感染症の症状が治まっても途中で服用をやめないように注意して下さい。
幅広い感染症に使用されるクラリスロマイシン。しかし、有用だからといって、たくさん服用しまうとだんだん効果が現れにくくなってくるお薬でもあります。
その原因として考えられるのが耐性菌の出現です。クラリスロマイシンの抗菌作用に対して耐性ができてしまうのです。医師の指示に従って用法・用量をしっかり守って服用することが大切になってきます。
クラリスロマイシンはCYP3A4という肝臓にある代謝酵素を阻害する作用を持っています。
代謝酵素を阻害するため併用する薬が代謝されにくくなり、その薬の血中濃度を上昇させてしまう可能性があるので併用するお薬がある場合には注意が必要です。
現在飲んでいる薬とクラリスロマイシンを併用するときには必ず医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
またクラリスロマイシンは苦味のある薬としても知られています。特に小児用のドライシロップは苦味が強く小さなお子様にとっては飲みにくいかもしれません。
酸性飲料(乳酸菌飲料、オレンジなど柑橘系のジュース、スポーツドリンク)やヨーグルトと一緒に服用すると苦味が増強されるおそれがあるので避けた方が良いでしょう。
これはクラリスロマイシンには酸性で溶けるコーティングが施されていて、口の中で酸性飲料と混ざることでこのコーティングが溶け苦み成分が広がることが原因だと考えられています。
バニラ味のアイスクリームやココア、プリンなどと一緒に飲むと良いでしょう。味が濃いものと組み合わせることで飲みやすくなります。また、それらとの飲み合わせには問題はないといわれています。
しかし、間違った飲み方をするとそれが耐性菌が現れる原因となるため医師の指示に従い用法用量はしっかり守って服用するようにしましょう。
また同時に併用する薬の効果に影響を与えてしまうこともあるので併用薬の有無は医師や薬剤師に伝えることが大切です。
また味が苦い薬として知られているので今回紹介した方法で飲んでみてはいかがでしょうか?
(監修:Doctors Me 医師)
ここではクラリスロマイシンの効果や、使い方、注意することなどをまとめました。
要チェック項目
□クラリスロマイシンはマクロライド系抗生物質に分類され幅広い感染症に用いられる
□年齢や体重、症状によって剤形や用法用量が異なる
□ドライシロップは苦味が強い薬なので甘いものと飲み合わせるなど工夫して服用すると良い
クラリスロマイシンとは? 効果はや副作用は?
クラリスロマイシンの効能・効果
クラリスロマイシンは細菌の70S系のリボソ-ムの50Sサブユニットと結合することで蛋白質を合成するのを阻害する作用を持ちます。
それによって菌を殺す効果を発揮するお薬です。幅広い抗菌スペクトラムを持ち呼吸器感染症や皮膚感染症、扁桃炎、副鼻腔炎など数多くの感染症の治療に有効と言われています。
また、アモキシシリン、プロトンポンプインヒビターと併用してヘリコバクター・ピロリ菌の感染症にも用いられます。炎症を抑える効果を持ち合わせている抗生物質としても知られています。
副作用
副作用として知られているのが下痢です。腸内にいるお腹の調子を整える細菌も殺してしまうことが原因だと考えられています。
効果を発揮するためには水のようなひどい下痢にならないうちは服用をやめないようにして下さい。下痢症状がひどくなったら医師に相談するようにして下さい。
剤形の種類は?
剤形は、錠剤とドライシロップの2種類に分けられます。錠剤の規格は50mg小児用と200mgの2タイプがあります。ドライシロップは10%小児用の1種類です。ドライシロップは錠剤を飲み込むのが困難な小さなお子様によく処方されます。
クラリスロマイシンの用法・用量
クラリスロマイシンの用法用量を以下にまとめてみました。年齢や体重、症状によって異なります。医師の指示に従って服用して下さい。・クラリスロマイシン200mgの場合
一般感染症
1回1錠を1日2回に分けて経口投与
非結核性抗酸菌症
1回2錠を1日2回に分けて経口投与
ヘリコバクターピロリ感染症
1回1錠、(アモキシシリンとプロトンポンプインヒビターの3錠併用療法)を1日2回 7日間経口投与
・クラリスロマイシン50mg、クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用の場合
一般感染症
小児には1日10~15mg/kgを2~3回に分けて服用。レジオネラ肺炎に対してのみ1日15mg/kgを2~3回に分けて経口投与。
後天性免疫不全症候群に伴うMAC症
小児には1日15mg/kgを2回に分けて経口投与
抗生物質は処方された日数分をきちんと飲み切ることで効果を発揮します。これらの感染症の症状が治まっても途中で服用をやめないように注意して下さい。
クラリスロマイシンの使用上の注意
耐性菌
幅広い感染症に使用されるクラリスロマイシン。しかし、有用だからといって、たくさん服用しまうとだんだん効果が現れにくくなってくるお薬でもあります。
その原因として考えられるのが耐性菌の出現です。クラリスロマイシンの抗菌作用に対して耐性ができてしまうのです。医師の指示に従って用法・用量をしっかり守って服用することが大切になってきます。
併用
クラリスロマイシンはCYP3A4という肝臓にある代謝酵素を阻害する作用を持っています。
代謝酵素を阻害するため併用する薬が代謝されにくくなり、その薬の血中濃度を上昇させてしまう可能性があるので併用するお薬がある場合には注意が必要です。
現在飲んでいる薬とクラリスロマイシンを併用するときには必ず医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
苦味
またクラリスロマイシンは苦味のある薬としても知られています。特に小児用のドライシロップは苦味が強く小さなお子様にとっては飲みにくいかもしれません。
苦味をおさえるためにはどうしたらよいの?
酸性飲料との相性は悪い?
酸性飲料(乳酸菌飲料、オレンジなど柑橘系のジュース、スポーツドリンク)やヨーグルトと一緒に服用すると苦味が増強されるおそれがあるので避けた方が良いでしょう。
これはクラリスロマイシンには酸性で溶けるコーティングが施されていて、口の中で酸性飲料と混ざることでこのコーティングが溶け苦み成分が広がることが原因だと考えられています。
どうしたらいいの?
バニラ味のアイスクリームやココア、プリンなどと一緒に飲むと良いでしょう。味が濃いものと組み合わせることで飲みやすくなります。また、それらとの飲み合わせには問題はないといわれています。
クラリスロマイシン=幅広い抗菌スペクトルをもつが注意が必要
クラリスロマイシンは幅広い感染症に有効な抗生物質です。3種類の剤形があることから成人や小さなお子様にも処方されます。しかし、間違った飲み方をするとそれが耐性菌が現れる原因となるため医師の指示に従い用法用量はしっかり守って服用するようにしましょう。
また同時に併用する薬の効果に影響を与えてしまうこともあるので併用薬の有無は医師や薬剤師に伝えることが大切です。
また味が苦い薬として知られているので今回紹介した方法で飲んでみてはいかがでしょうか?
(監修:Doctors Me 医師)