不安神経症は最近では不安障害と言われている疾患のことです。

不安を感じることは誰でもあると思いますが、それが日常生活にも支障をきたすレベルになることがあります。

その原因とは何なのでしょうか。また治療法についても紹介します。

要チェック項目


□不安神経症は最近では不安障害と呼ばれている
□日常生活にも支障をきたすほどの不安感に苛まれる
□治療をすれば治らない病気ではない

不安障害とはどのような病気のことをいうのですか?

かつてはこの病気のことを不安神経症とかノイローゼと呼んでいましたが、最近では不安障害と呼ばれるようになってきています。

その名の通り、不安が要因となって心身にさまざまな障害が現れ、日常生活にも支障をきたすようになってしまう疾患です。

不安障害になるとどのような種類があるのですか?

米国精神医学会による不安障害の分類では以下のような疾患があります。

パニック障害


パニック障害は、不安神経症のなかでも有名なものです。パニック発作が繰り返し起こるのが特徴で、症状が軽い場合でも週に1度、重症の場合には週に3、4度の発作が起こります。

パニック障害の発作はパニック発作とも呼ばれています。

発作が起こると、「心臓発作ではないのか? 」「このまま死んでしまうのではないか? 」などと考えて病院に行きますが、その頃には症状が消失していることがほとんどです。

また、発作が起きることを恐れるため、社会活動を回避する傾向が現れます。

強迫神経症


強迫神経症は強迫性障害とも呼ばれていて、強迫観念によって起こる不安を解消するために、自分でもばかばかしいと思う行為を繰り返してしまう病気のことを言います。

例えば、家のカギをかけたか気になって何度も確認しに帰ってしまうとか、手が汚れている気がして何度も手を洗ってしまうとかいったことを繰り返します。

社会不安障害


社会不安障害は、いわゆる「恐怖症」と呼ばれるタイプの神経症です。初めて人と会う時や大勢の前で話す時など、誰でもある程度は緊張することはあると思います。

ただ、社会不安障害の場合は、こういった不安や緊張によって日常会話にまで影響を及ぼしてしまいます。

症状としては、「対人恐怖」や「赤面恐怖」、「外出恐怖」などがあり、学校や会社に行けなくなってしまうといったことが起こります。

社会不安障害はさらに、広場恐怖症と言って不特定多数の人間がいる空間に恐怖したり、社会恐怖といって、人前で話す時や字を書く時に障害が出るタイプの2つに分けられます。

その他


不安障害には、このほかにも、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、全般性不安障害、一般身体疾患による不安障害などが含まれます。

不安障害はどのような人がなりやすいですか?

不安障害になりやすいのは、ストレスに弱い性格の人や内向的な人、感受性が強い人、神経が過敏な人などが挙げられます。

その他にも、物事への執着が強い人や欲望が強い人、理知的なタイプの人などもなりやすいと言われています。

不安障害になるとどのような症状が現れますか?

精神的症状


不安神経症という名前の通り、根拠もない不安が現れるほか、極端な緊張やイライラ、記憶力や集中力の低下、落ち着きや根気がなくなる、睡眠に影響が出ると言った症状が現れます。

身体的症状


不安神経症は体にも影響を及ぼします。具体的には頭痛や頭の重さ、首や肩のコリ、吐き気やめまい、動悸や息苦しさ、発汗や呼吸困難が見られることもあります。

不安障害の治療法にはどのようなものがありますか?

薬物療法


不安神経症は、抗不安剤と抗うつ薬が症状を抑えるのに有効だとされています。抗不安薬は精神安定剤とも言われており、不安を軽減してくれます。

抗うつ薬は一般的には鬱病の治療薬ですが、神経症にも効果があるとさえています。

精神療法


薬は症状を抑えてはくれますが、根本的な原因の解決にはなりません。不安障害は誰でもなる可能性のある病気なので、一人で抱え込まずに専門家に相談すると良いでしょう。

出かけるのが億劫な方は、電話相談もやっているのでまずはそちらから試してみるのも良いでしょう。

適切な治療で改善を図りましょう

不安障害はだれでも起こりうる病気ですが、適切な治療が行われれば治る病気だということです。

まずは勇気を出して治療への一歩を踏み出しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)