健康診断をして肝臓の数値が高いと心配になりますが、その際にはどのような病気の可能性があるのでしょうか。
また、肝機能障害とはどのようなことをいうのでしょう。代表的な肝臓の病気とあわせて紹介していきたいと思います。
□肝機能障害とは肝臓の働きが低下していることをいう
□肝機能検査の指標となるのはGOT・GPT・ガンマGTPである
□肝臓の病気は症状が出にくいため注意が必要である
肝臓は沈黙の臓器とも言われており、肝臓に問題があるからと言って直ちになんらかの症状が現れる訳ではありません。そのため、一般的に肝機能障害は健康診断などの結果、その数値によって診断が下されることとなります。
肝機能検査はGOTやGPT、γ-GTP(ガンマGTP)などの数値によって肝機能障害が見られるかどうかを調べます。GOTとGPTの基準値は30IU/L以下、γ-GTPは50IU/L以下が理想とされています。
その他にもALPや血小板の数値なども参考となるそうです。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)に感染することによって起こります。
飲食物などを経由して口から経由することが分かっており、ウイルスに感染した生の魚介類(特にカキ)を食べたり、衛生状態の悪い土地で生水を飲んだり、またオーラルセックスが原因で起こるということです。
感染初期には自覚症状がほとんどありませんが、感染してから1ヶ月ほどすると、全身の倦怠感や発熱、吐気や嘔吐、黄疸などが現れます。
GOTやGPTの数値が急激に跳ね上がり、他の急性ウイルス性肝炎と比べて発熱を伴うことが多いという特徴があります。通常は1週間から2週間で自然治癒してしまいます。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって起こります。B型肝炎ウイルスは、エイズウイルスやC型肝炎ウイルスよりも感染力が強く、性行為による感染や母子感染が原因として挙げられています。
感染者と飲み物を回し飲みした程度では感染することはありません。
A型肝炎と同じく、発熱や倦怠感、黄疸が見られるほか、尿の色が濃くなったり、食欲が低下したりします。ただ、感染者のおよそ半数は症状が見られないまま治ってしまうということです。
発症した場合でも通常は2ヶ月から3ヶ月安静にしていれば治るということです。
C型肝炎
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こります。性行為による感染の可能性は低く、主にC型肝炎キャリアの血液によって感染します。
B型肝炎同様、倦怠感や、食欲の低下、濃い尿が出る、発熱、黄疸などの症状がありますが、A型肝炎やB型肝炎と比べると症状は軽いということです。
ただ、C型肝炎の特徴は、慢性化しやすいということです。
肝臓は脂肪をエネルギーに変える場所なので、常に肝臓の重さの2、3%程度の脂肪が存在しているのですが、これが肝臓の肝細胞の30%以上に脂肪空胞がみられる場合に脂肪肝と診断されることとなります。
アルコールが原因となることが多いですが、非アルコール性の脂肪肝といって、アルコールが原因ではない脂肪感もあります。
また、低栄養性脂肪肝といって、極端なダイエットや栄養不足によって脂肪肝になることもあるということです。
肝臓は肝細胞がほとんどを占めますが、肝細胞が壊死と再生を繰り返していく過程で肝臓が徐々に線維化して固くなり、小さくなってしまいます。
肝硬変の症状も肝炎と同様、身体がだるい、疲れやすい、食欲不振などの風邪に似た症状や、黄疸などが現れますが、やはり初期の段階では症状に気がつかないことが多いということです。
肝炎ウイルスによって、肝細胞が壊死と再生を繰り返すことによって、肝硬変となり、それが進行すると肝臓がんになってしまうという訳です。肝臓がんの原因の7割近くはC型肝炎、1割以上がB型肝炎によるものです。
肝臓は沈黙の臓器とも言われることから、肝臓がんに関しても初期には自覚症状が見られないことが多いです。
人によっては、背中やみぞおち周辺の痛み、手のひらの赤み、腹部膨満感や食欲減退、体重減少などが見られることがあるそうです。
そのため、定期的に健康診断を受けて、自分の肝臓の状態を把握しておくことが何よりも重要です。また、過度の飲酒を控えることも大事です。
(監修:Doctors Me 医師)
また、肝機能障害とはどのようなことをいうのでしょう。代表的な肝臓の病気とあわせて紹介していきたいと思います。
要チェック項目
□肝機能障害とは肝臓の働きが低下していることをいう
□肝機能検査の指標となるのはGOT・GPT・ガンマGTPである
□肝臓の病気は症状が出にくいため注意が必要である
肝機能障害とはどのようなことをいうのですか?
肝臓の機能低下
肝臓は沈黙の臓器とも言われており、肝臓に問題があるからと言って直ちになんらかの症状が現れる訳ではありません。そのため、一般的に肝機能障害は健康診断などの結果、その数値によって診断が下されることとなります。
肝機能障害の指標
肝機能検査はGOTやGPT、γ-GTP(ガンマGTP)などの数値によって肝機能障害が見られるかどうかを調べます。GOTとGPTの基準値は30IU/L以下、γ-GTPは50IU/L以下が理想とされています。
その他にもALPや血小板の数値なども参考となるそうです。
肝機能障害の原因となる疾患その1:肝炎
A型肝炎
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)に感染することによって起こります。
飲食物などを経由して口から経由することが分かっており、ウイルスに感染した生の魚介類(特にカキ)を食べたり、衛生状態の悪い土地で生水を飲んだり、またオーラルセックスが原因で起こるということです。
感染初期には自覚症状がほとんどありませんが、感染してから1ヶ月ほどすると、全身の倦怠感や発熱、吐気や嘔吐、黄疸などが現れます。
GOTやGPTの数値が急激に跳ね上がり、他の急性ウイルス性肝炎と比べて発熱を伴うことが多いという特徴があります。通常は1週間から2週間で自然治癒してしまいます。
B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって起こります。B型肝炎ウイルスは、エイズウイルスやC型肝炎ウイルスよりも感染力が強く、性行為による感染や母子感染が原因として挙げられています。
感染者と飲み物を回し飲みした程度では感染することはありません。
A型肝炎と同じく、発熱や倦怠感、黄疸が見られるほか、尿の色が濃くなったり、食欲が低下したりします。ただ、感染者のおよそ半数は症状が見られないまま治ってしまうということです。
発症した場合でも通常は2ヶ月から3ヶ月安静にしていれば治るということです。
C型肝炎
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こります。性行為による感染の可能性は低く、主にC型肝炎キャリアの血液によって感染します。
B型肝炎同様、倦怠感や、食欲の低下、濃い尿が出る、発熱、黄疸などの症状がありますが、A型肝炎やB型肝炎と比べると症状は軽いということです。
ただ、C型肝炎の特徴は、慢性化しやすいということです。
肝機能障害の原因となる疾患その2:脂肪肝
脂肪肝とは、必要以上に肝臓に脂肪がつき過ぎてしまう疾患のことを言います。肝臓は脂肪をエネルギーに変える場所なので、常に肝臓の重さの2、3%程度の脂肪が存在しているのですが、これが肝臓の肝細胞の30%以上に脂肪空胞がみられる場合に脂肪肝と診断されることとなります。
アルコールが原因となることが多いですが、非アルコール性の脂肪肝といって、アルコールが原因ではない脂肪感もあります。
また、低栄養性脂肪肝といって、極端なダイエットや栄養不足によって脂肪肝になることもあるということです。
肝機能障害の原因となる疾患その3:肝硬変
肝炎に対して適切な治療を行わず進行してしまうと、肝硬変になるリスクが高くなります。肝臓は肝細胞がほとんどを占めますが、肝細胞が壊死と再生を繰り返していく過程で肝臓が徐々に線維化して固くなり、小さくなってしまいます。
肝硬変の症状も肝炎と同様、身体がだるい、疲れやすい、食欲不振などの風邪に似た症状や、黄疸などが現れますが、やはり初期の段階では症状に気がつかないことが多いということです。
肝機能障害の原因となる疾患その4:肝臓がん
肝臓がんになる原因は、主にウイルスに感染することだと言われています。肝炎ウイルスによって、肝細胞が壊死と再生を繰り返すことによって、肝硬変となり、それが進行すると肝臓がんになってしまうという訳です。肝臓がんの原因の7割近くはC型肝炎、1割以上がB型肝炎によるものです。
肝臓は沈黙の臓器とも言われることから、肝臓がんに関しても初期には自覚症状が見られないことが多いです。
人によっては、背中やみぞおち周辺の痛み、手のひらの赤み、腹部膨満感や食欲減退、体重減少などが見られることがあるそうです。
定期的に健康診断を受けることが予防につながります!
肝臓は沈黙の臓器とも言われていて、自覚症状が出た頃にはすでに肝機能障害が進行していることも多々あります。そのため、定期的に健康診断を受けて、自分の肝臓の状態を把握しておくことが何よりも重要です。また、過度の飲酒を控えることも大事です。
(監修:Doctors Me 医師)