通常の生理とは異なる時期に出血があると、何か病気なのではないかととても不安になるものです。

その出血がなかなか止まらないとなると、さらに心配になってしまうと思います。

女性の体はとてもデリケートであるため、ちょっとしたことがきっかけで不正出血が起こってしまうこともあります。

しかし、その出血がなかなか止まらず長引いている場合には、何か異常が隠れている可能性があります。

不正出血とは?

女性には毎月月経があります。この月経のサイクルは大体25日から38日周期となっており、1週間ほど出血が続きます。その14日後に排卵が起こり、妊娠に至らなかった場合はさらに14日後に次の月経がきます。

不正出血は、月経の周期とは関係ない時期に出血が起こることを指します。

原因としては、ホルモンバランスの乱れや、子宮内での炎症や悪性腫瘍などの病気によって起こる出血が挙げられます。

中には、そこまで心配のないものから、命にかかわるような重要な病気が隠れている場合もあります。

不正出血は、血の状態だけをみて異常の原因を判断することはできません。
そのため、気になる症状があれば婦人科を受診して原因を調べてもらうと良いでしょう。

不正出血でチェックすべきこと

出血の量


出血の量がどれくらいのものなのかをチェックしましょう。

出血量が多いとされる生理2日目よりも多い出血量なのか・微量だが長期間で続けているものなのか・ナプキンはどれくらいで取り替えているのかなど、チェックしておきましょう。

出血はいつ起こるのか


その出血がいつ起こったのかも把握しておきましょう。

生理以外に毎月起こる出血なのか・性交時に出血をしたのか・排卵の前後に起きているのかなど、いつどのような状況で不正出血が起こったのかをチェックしておきましょう。

また、その際に基礎体温を測定しておくことで、周期のどの時期に出血があるのかを知ることができるのでおすすめです。

血の色


一般的に生理の出血は、やや暗めの赤色で、やや粘調質である状態が正常であるといわれています。

不正出血は、さらさらの鮮血の場合や、ドロドロとした赤黒い出血・茶色い出血など、さまざまです。出血原因によって血の色が異なることもあるため、血の色を把握しておくことで原因を発見しやすくなります。

原因

妊娠の初期症状


妊娠初期に、出血が続くこともあります。これは着床や子宮が大きくなることによって子宮内膜から出血を伴うことが原因とされています。

しかし、出血が続く場合にはそのまま流産へと繋がる可能性もあるため、妊娠が発覚した場合には速やかに産婦人科の受診をするようにしましょう。

流産・切迫流産


女性が妊娠中である場合、その出血は流産や切迫流産の兆候である可能性があります。対応によって妊娠の継続ができるかどうか変わってくるため、早急に産婦人科を受診する必要があります。

ピルの影響


ピルを飲んでいることが出血の原因となっていることもあります。これは、ピルを飲むことで経血が子宮内にとどまってしまったり、女性ホルモンの分泌を抑えることができないことが原因であると考えられます。

ピルを飲み始めたばかりの頃に良くある症状で、飲み続けることで出血がおさまることが多いですが、出血が続くようであれば、婦人科に相談してみましょう。

外陰部や膣の炎症


性交渉などによる刺激や膣炎などによって外陰部や膣に炎症がある場合、出血が起こることもあります。このような原因で出血を起こす場合、大抵は性交渉の後出血が見られることが多いです。

出血以外にかゆみやおりものの異常・痛みなどがある場合には、この原因が当てはまる可能性が高いため、婦人科を受診するようにしましょう。

子宮筋腫や子宮頸がん


子宮筋腫や子宮頸がんにかかっていると、不正出血が起こりやすくなります。

ダラダラと長期間不正出血が続く場合や、量が多く固まりのような出血がある場合・生理の量が増えたり、生理痛が酷い場合には、これらの原因が関わっている可能性があります。

その場合、重篤な状況になる可能性もあります。速やかに婦人科で検査をして、病気の可能性の有無を調べましょう。

無排卵月経


無排卵月経とは、月経がきていても排卵が行われていない状態のことです。排卵されない状態だと、ホルモンバランスがしっかりととることができないため、月経が長引いてしまうことがあるのです。

無排卵による過長月経は、そこまで心配なものではないといわれていますが、出血の量が多く貧血になる場合には、適切な処置をしてもらう必要があります。

ホルモンバランスの乱れ


不正出血の最も多い原因が、ホルモンバランスの乱れです。

ストレスなどの影響によって、ホルモンがうまく分泌されないことで不正出血が起こってしまうのです。

また、45歳以上の更年期に入ったことで女性ホルモンのバランスが変わってくることで不正出血が起こることもあります。

子宮内膜症


子宮内膜症とは、子宮の内側以外にも子宮内膜が出来てしまい、癒着や剥離を繰り返す病気です。

通常は月経と共に子宮内膜は外に排出されますが、子宮内膜症になるとうまく排出されることができず体内にとどまってしまうため、炎症や痛み・癒着などを引き起こしてしまいます。

この子宮内膜症によって不正出血が続くケースもあります。

対処法

婦人科を受診する


出血の場所は原因によって異なりますが、ほとんどが子宮や膣などからのものです。不正出血が長引く場合には、婦人科を受診して、原因を調べてみましょう。そうすることで、適切な処置を行う手がかりとなるでしょう。

カウンセリングなどを受ける


不正出血は、ストレスが原因である傾向がとても多いです。そのため、ストレスを解消することが解消への鍵となることもあります。

精神科やカウンセリングなどを受けることで、ストレスが軽減されて不正出血がおさまることもあるため、一度検討してみましょう。

予防法

病気以外の原因で不正出血が続いている場合には、生活習慣を改善することで不正出血がおさまることがあります。

栄養バランスのとれた食事


ホルモンバランスを整えるためには、栄養をしっかりととることがとても大切です。

無理なダイエットなどは行わず、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、ホルモンバランスが整い、不正出血も解消されるかもしれません。

良質な睡眠をとる


ストレスや疲労も、不正出血の大きな原因となります。女性ホルモンは、寝ている間に分泌されるため、必要な睡眠をしっかりととることで、ホルモンの分泌バランスが整いやすくなります。

適度な運動をする


体の血のめぐりが悪かったり、筋肉が凝り固まった状態だと、月経が正常に起こらなくなり、不正出血となるケースがあります。

適度な運動を行うことで、体の循環が良くなり、不正出血が解消される可能性があります。

体を温める


冷え性の女性は、月経不順や不正出血が起こりやすい傾向にあります。これは、体が冷えていることが原因で体の巡りが滞っていることが関係していると考えられます。

体を温めて体の血流を良くすることで、月経不順や不正出血が改善されることが期待できます。

がん検診を定期的に受ける


子宮がんが不正出血の原因となっている可能性があります。子宮がんは、定期的に検診をすることで早期発見が可能な病気です。必ず定期健診を受けるようにすることで、子宮がんの心配が少なくなります。

最後に

不正出血が止まらないと、とても不安になるものです。出血以外に症状がなくても、長引く不正出血が気になる場合には医師に相談するようにしましょう。

そうすることで、必要な処置を早期に受けることができるため、より早く症状を改善することができます。

女性の体はとてもデリケートです。普段の生活から規則正しくすることを心がけて、体を労わりましょう。

(監修:Doctors Me 医師)