胃下垂と聞くと、食べても食べても太りにく体質、といったイメージを抱いている方もいらっしゃるのでは。

しかし、実際には体内がどのような状態となっているのでしょうか。

今回はその概要や症状、検査方法や対処方法までをまとめさせていただきました。

胃下垂とは


読んで字のごとく、胃の位置が正常よりも下がっている状態を指します。 原因としては胃を支える筋肉や脂肪が少ないことが挙げられます。

食べても太りにくいということもありますが、生まれつき胃下垂だから痩せているのではなく、痩せてきたり、すでに痩せていることで腹筋が弱って胃下垂になったりしていることがほとんどです。

痩せ型の多い日本人には3割もの人がこれにあてはまると言われています。

原因


暴飲暴食


一度に大量に食べたり飲んだりすることで胃の消化機能が追いつかない状態が長くつづくと、それら残留物の重みで胃がが下方まで引き伸ばされます。

これが主な原因とされています。

心理的要因


心理的要因の大部分はストレスですが、ストレスから暴飲暴食にも繋がりますから注意が必要です。

過度の緊張や不安、過労や睡眠不足、ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れてしまうことが大きいです。

自律神経のバランスが崩れると胃が機能せずに消化が上手に出来なくなってしまいます。

身体的要因


身体的原因の多くは、姿勢が悪いことが挙げられます。背中が曲がっている、姿勢が悪い、骨盤の歪みなどが原因となります。

胃が下に垂れ下がってしまっている状態をいうわけですから、身体の姿勢も大きく影響を受けます。

症状


個人差がありますが、主に以下の自覚症状が挙げられます。

消化能力が低い


正常より胃が下に下がってしまっていることによって、重症の胃下垂では健康な胃に比べて食べ物の消化能力が約3分の1になってしまうといわれます。

食欲の低下


食欲も低下して美味しくものが食べられないこともあります。

胸やけや胃もたれ


食事の後も胸やけやいつまでも胃のあたりが重苦しい感じがしたりすることがあります。

げっぷ、便秘や下痢


頻回のげっぷが出たり、便秘や下痢などを起こしたりすることもあります。

栄養不足による弊害


栄養不足で抜け毛が出たり、胃炎や胃潰瘍も起こしやすくなることも知られています。

検査


胃下垂の検査は、主にバリウムを飲んで胃のレントゲン検査で判明できます。

また、人間ドッグなどの検診時にも分かることがあります。X腺を当てて胃の曲がり角にあたる胃角部と呼ばれる部分が骨盤の内側まで下がっていると診断されます。

改善法


吐き気などの不快症状や消化不良、食欲不振などが気になる場合は、専門医療機関による治療が必要になります。

ただ胃下垂と分かっても目立った症状がなければ、とくに治療する必要がないので、日常の生活習慣を改善することが一番です。

筋トレと生活習慣改善



原因として胃を支えたり持ち上げたりする筋肉がないなどの体型的な要因が多いことからも、生活習慣改善とともに筋肉トレーニングなどの身体づくりが有効です。

身体を動かす運動を継続することや腹筋や背筋などの筋力トレーニング、食事の量や食べ方に注意して体重管理をするなどの自信による改善が不可欠です。

姿勢を正す



胃下垂は胃の位置が正常よりも下がってしまう病気ですから姿勢を正しくすることが効果的です。特に猫背があると、胃を下へ下へと押し下げてしまいます。

背筋をピンと伸ばすだけでも、ずいぶん楽にしてくれる効果があります。

重度の場合は薬物療法などがありますが、大抵の軽度のものでしたら日常生活習慣の改善でかなり回復が見られます。

胃下垂は逆立ちで治る?


逆立ちの効果は医学的には実証されたことはないようです。

また、一瞬楽になったように感じる方も多いようですが、少なくとも継続的な効果はないという説が有力なようです。

最後に編集部から一言


食べても食べても太らないから、胃下垂がうらやましい…なんて思っていた方は今回でイメージが変わったかと思われます。

規則正しい生活習慣で、健康な胃腸を保ちましょう。