最近、あなたはスマホやPCの画面、テレビなどを見ていて「なんとなく目が乾く」と感じてはいませんか?

空調やコンタクトの影響も受けるというドライアイは、つらいのをただ我慢していると、悪化してしまう可能性があります。

今回は、ドライアイについて、医師に詳しく聞いてみました。

ドライアイとは

ドライアイは、さまざまな原因により涙や角膜・結膜の表面に起こった慢性的な病気で、以下のような症状を伴うものです。
・渇き
・痛み
・充血などの不快感
・見えづらさ、かすみ目


ドライアイの原因


ドライアイの原因は、以下のようなことが考えられます。

・涙を産生する涙腺や目の表面に炎症が起こり、十分な量の涙が作られなくなった
・涙の量はあっても質が悪いために、すぐ乾いてしまう


涙の中には水分だけでなく、塩分やミネラル、そして適度な脂分や粘り成分が含まれています。
これらの量が適切でないと、水分が目の表面からはじかれてしまい、潤った感じが得られません。

ドライアイになりやすいリスク要因


「3コン」ともいわれる、エアコン・パソコン・コンタクトレンズは特に、現代の若い人に多いリスクファクターです。

またドライアイは、女性に多い傾向があり、加齢の影響も受けると考えられています。
そのほか、以下のようなリスク要因があります。

シェーグレン症候群やリウマチ疾患など、炎症が起こりやすい状態
・放射線治療や骨髄移植を受けたことで、涙腺の機能が落ちている場合
・レーシックを受けて涙の分泌を促す神経が切断されること
・まぶたや結膜のむくみ、まぶたの筋肉の麻痺のために目を十分閉じることができず、薄眼をあいている兎眼(とがん)になっている
・脂分供給するマイボーム腺(まぶたのふち、まつ毛の根本にある分泌腺)の流れが悪かったり、化粧の粉や古い脂で詰まっているために脂分が少ない

ドライアイの治療

ドライアイが悪化すると、角膜や結膜の表面に傷がつき、そこに涙がしみて痛みが悪化し、点眼をしようにも使えなくなり、悪循環になっていきます。

ドライアイは、早期の段階で点眼治療や生活習慣の改善を行うことが重要です。

ドライアイの検査


ドライアイの症状がある場合、まず涙の量が少ないのか、量はあるが質が悪いタイプなのかの判断が必要です。
これはシルマー検査と呼ばれる、検査用の紙をまぶたに挟んで涙の量を計測する検査や、涙に黄色い染料を混ぜて顕微鏡で観察する検査で判断できます。

また、重症のドライアイの場合、体に炎症を起こすような病気がないか、血液検査や内科・耳鼻科的検査を行うことがあります。

ドライアイの治療薬


ドライアイの治療薬は多数あり、病状に応じて処方されます。
数日点眼しただけで改善するということはまずなく、最低1カ月程度点眼を続ける必要があります。

ドライアイの予防とケア

自宅でできるケア


マイボーム腺の流れを良くするために、目元を暖かいおしぼりで温めたり、泡立てた石鹸で目のふちを洗って、古い脂や化粧粉を排出することも有効です。

VDT作業の注意点


◎モニターを視線よりやや下に置く
◎画面の輝度やコントラストを調整する
◎モニターへの照明や日光の映り込みを避ける
◎意識的に休憩を取る
◎深いまばたきをする

医師からのアドバイス

ドライアイは、パソコンやスマートフォンの普及に伴い増加しつつあり、日本では1,000万〜3,000万人程度の患者がいると予想されています。

重症化を防ぐには、現状を知り早めに対処をすることです。自覚症状があったら放置せず、眼科医に相談しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)