ニキビの膿は何者?

ニキビが発生するメカニズム

ニキビの原因


ニキビは毛穴の脂質がスムーズに排出できないことが原因で発症します。
通常は脂質は毛穴から排出されますが、何らかの原因により毛穴が閉じ、脂質がスムーズに排出されなくなってしまいます。

脂質が排出されないことにより脂質が肥大し浮き出て、ニキビとなってしまいます。

膿の正体


ニキビの中では、皮膚の常在菌であるアクネ菌が毛穴の中で繁殖しています。毛穴に皮脂が溜まった部分に、アクネ菌に加えさらにブドウ球菌などの細菌が増殖し、膿が溜まってしまい毛穴の範囲を超えてしまうと、黄色く盛り上がった状態になります。

ニキビの膿はニキビの芯など言われていますが、これは細菌が溜まって膿になったものと言えます。

膿が溜まってしまう原因

ニキビを気にする女性

皮脂の分泌が活発


ホルモンの影響や、体質により脂質の分泌が増えます。思春期、女性の月経前、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎも脂質が増える原因になります。

また、皮膚の保湿が不十分で、乾燥している時にも、皮膚を守ろうとして過剰に皮質が出ます。

毛穴の出口が詰まり、皮脂や膿が皮膚表面に出てこられない


毛穴の出口に、化粧品の落とし残しがあったり、乾燥のため角質が分厚くなっていたりすると詰まりやすくなってしまいます。

また、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が乱れていても毛穴が詰まりやすくなります。

抵抗力が落ちている


抵抗力が落ちると膿が溜まりやすくなってしまいます。
体の抵抗力は下記のようなことで低下します。

・糖尿病などの病気
・ステロイドなどの免疫力を抑える薬を使用している
・運動不足
・睡眠不足
・ストレスが溜まっている


細菌が増殖


細菌はいくらきれいにしていても皮膚の表面に存在しますが、細かい傷があると増殖しやすくなり、汚れた手で顔を触る癖があったり、髪の毛が皮膚にしょっちゅう触れているとニキビに細菌がつきやすくなります。

ニキビの膿が飛び出てしまった場合の対処法

ニキビに困る女性

清潔なティッシュで押さえる


膿が出た場合、清潔なティッシュで押さえて拭き取るようにしましょう。
少量の血液が出ることもありますが、採血したあとの止血と同じように、皮膚がへこむ程度に5分程度押さえれば血は止まります。

石鹸で洗浄する


石鹸を泡立てて洗い、よくすすいで清潔にしておくことで、傷跡に細菌が付着してしまうことを防ぎます。
消毒薬を使うとかえって、治そうとしている細胞を殺してしまうこともありますので、石鹸と水道水の洗浄で十分です。

ニキビが膿んだら潰す?放置する?

ニキビに悩む女性

潰した場合


ニキビで肌に炎症が起こると、皮膚の組織が溶けたような状態になっており、無理やり潰して膿だけ出しても、開いた毛穴や溶けた組織はそのままの状態でニキビの跡が残ってしまうことがあります。

そのため、潰してしまうとニキビの跡が残ってしまう可能性があります。

放置した場合


放置しても入浴後や洗顔後に皮膚の血流が活発になった時や、膿が溜まったニキビに手が触れたときなどに膿が出てきてしまうことがあります。
不意にニキビを潰してしまうと、ニキビの跡が残ったり色素沈着が残る可能性がありますので、放置してもよくありません。

綺麗にニキビを対処する方法

医師

自然治癒力


理想的には、体の中から炎症や感染を押さえることで、少しずつ膿が減り、それと入れ替わるようにして新しい組織ができてくる、というのが理想の対処法です。

病院を受診する


病院では、飲み薬の抗生物質を飲むことで体の中から炎症を沈め、同時に塗り薬で感染や炎症に対応します。

また、膿が溜まり過ぎている場合には、薬を塗ったり飲んだりしても治らないこともあるため、病院でもニキビを潰すという処置をすることがあります。

ニキビを潰して跡が残った時の治療法

ニキビの跡がある女性
ニキビを潰してできるニキビの跡、いわゆる「クレーター」の跡ができてしまった場合でも、病院に行き、症状に合わせた治療を受ければ改善する可能性があります。
治療法はくぼみの度合によって違います。

























くぼみの深さ 施術名 治療法
浅い ピーリング 3~4週間に一度、古くなった角質を専用の洗顔料や薬液を使って除去する
やや深い ダーマペン 約1カ月に一度、細い針のついた機械で、へこんでいる部分浅く削り、成長因子などの成分を注入する
かなり深い フラクショナルレーザー 微細な穴を皮膚表面につくり、へこみや毛穴の収縮を行うとともに皮膚のコラーゲンを増加させ、ニキビ跡、傷跡、毛穴の開きを改善させる

最後に医師からの一言

医師
病院ではレーザー治療や、漢方薬を使用することもあります。皮膚がえぐれたようなあとになってしまうと自分の努力で治すことは難しくなりますので、対策に迷った場合は病院で相談してみてください。

(監修:Doctors Me 医師)