男の子の赤ちゃんは成長に伴い、性器(おちんちん)の変化が現れてきます。

 

特に女性である母親は、なかなか感覚などを把握することが難しく、デリケートな問題でもある包茎についても分からないことが多いと思います。

 

今回は、男の子の赤ちゃんの性器の変化、気になる包茎や性器の病気、正しいケアについて医師に解説していただきました。

 

目次

 

 

男の子の性器の変化

男の子の成長

 

生まれた時

包茎で、亀頭は見えません。陰嚢はやや色が黒ずんでいて、しわがあり、中に二つの精巣を触れることができます。これが片方しか触れないようだと、停留精巣という病気が考えられます。

 

9歳〜11歳頃

第二次性徴が始まり、陰茎や睾丸が大きくなり、陰毛が生え、精通(初めての射精)が起こります。

 

 

包茎について

包茎の種類

 

3〜4歳

「指でむけば亀頭が見える」状態になる方が約半数と言われています。

 

思春期

陰茎が大きくなるにつれ、思春期に「いつの間にか勝手にむけていた」という方が多いですが、真性包茎で見た目上の理由で手術を希望される場合もあります。

 

文化による包茎治療率の違い

包茎を治療するかどうかは文化による違いが大きく、成人男性で包茎手術を受けているのは以下の国になります。

 

・韓国:80%

・アメリカ:75%

・アジア諸国:20%

・イギリス:6%

 

(参照:日本小児泌尿器科学会)

 

 

男の子の赤ちゃんの性器の皮はむいた方が良い?

悩む夫婦

 

医師の間でも意見が分かれており、正解はありません。

 

むいた方が良いという意見

垢を取って清潔にすることで、亀頭包皮炎や尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)を予防することができる。子どもが包茎コンプレックスを持たなくて済む。といったことです。

 

むかなくて良いとする意見

わざわざむこうとしなくても、勝手にむけることが多い。子どもに痛い思いをさせるのではないか。といった意見があります。

 

■ 母親

陰茎を見慣れておらず、触るとどんな感じがするものなのか?男の子が包茎をどう思うのか?全く分かりません。自分の夫が仮性包茎なのかどうかも分からない人も多いでしょう。

 

■ 父親

どちらかというと「放っておけばいい」「痛そうで、我が子のおちんちんに触るのが怖い。わざとむくなんてもっと怖い」という人が多いようです。

 

■ 医師や保健師

日本の一般的な医師や保健師は現在のところ「わざわざむこうとする必要はない」という指導をしています。

 

亀頭包皮炎を繰り返す場合は、医師の指導の下でむくこともあります。

 

 

男の子の赤ちゃんの性器のお手入れ方法

オムツ替え

 

うんち

女の子の場合、うんちをすると膣口周辺まで汚れてしまいますが、男の子はよほど大量のうんちでない限り、陰茎の先までは汚れない場合が多いです。

 

汚れてしまった場合はおしりふきで拭くよりも、シャワーで洗い流してあげたほうが、便の中の細菌が尿道に入るのを防ぐにはよいかもしれません。

 

おしっこ

おしっこの後は特に陰茎の手入れは不要で、拭いたりする必要はありません。

 

 

男の子の赤ちゃんの性器で気をつけたい病気 

男性性器の仕組み

 

停留精巣

陰嚢に精巣が一つしか触れないか、全く触れません。これがあるかどうかは出生時もしくは1カ月検診で医師が確認しています。

 

停留精巣と診断された場合、精巣を探し、陰嚢内に移動させる手術を行います。手術を行っても、将来的に妊娠させる能力に問題があったり、精巣のがんになるリスクがわずかに高いと言われています。

 

尿道下裂

尿道の穴が、亀頭の真ん中ではなく下側に開いているという状態です。陰茎が下向きにカーブしている場合もあります。

 

尿が下向きに出てしまい、立って排尿するのが難しいことがあります。治療する場合は手術で尿道を作り直すことになります。

 

亀頭包皮炎

包皮と亀頭の間に垢が溜まり、細菌感染を起こし、赤く腫れて痛みが生じます。飲み薬や塗り薬で治します。

 

精巣水瘤

陰嚢に水たまりがあり腫れている状態です。自然に治る場合もあれば、鼠径ヘルニアや停留精巣を伴っており、手術が必要になる場合があります。

 

精巣が腫れている場合、他に考えられる可能性としては、精巣腫瘍、精索捻転、精巣上体炎などが考えられます。

 

 

最後に医師から一言

小児科で診察を受ける乳児 

女性である母親にとってだけでなく、男性である父親にとっても、自分が赤ちゃんの頃の性器がどうだったかなど覚えていませんので、子どもの性器は未知の領域です。

 

不安があれば小児科や小児泌尿器科で相談してみてください。

 

(監修:Doctors Me 医師)