お正月といえば、おせち料理!減塩中の方や高血圧の方は、おせち料理の塩分が気になってしまいますよね。
今回は、おせち料理で減塩するコツとレシピについて管理栄養士に解説していただきました。
おせち料理は塩分が多い?
おせち料理は地方や家庭によって異なり、種類は何十種類もあります。
おせち料理は大きくわけて、祝い肴、口取り、焼き物、酢の物、煮物の5種類です。それぞれの料理におめでたい意味があり、収めるお重の段もある程度決まっています。
【一の重】 祝い肴、口取り
伊達巻き、かまぼこ、栗きんとん、黒豆、田作り、数の子、たたきごぼうなど
【二の重】 焼き物
ぶりの焼き物、鯛の焼き物、海老の焼き物など海の幸のもの
【三の重】 酢の物
紅白なます、酢蓮根など
【与の重】 煮物
れんこんや人参、里芋など山の幸を使った煮物、筑前煮など
(※四段目の「四」を「与」と書くのは、「四」が「死」を連想させて縁起がよくないとされたため)
このように、おせち料理は田作り、黒豆、たたきごぼう、煮物など味付けに醤油を使うものが多いです。日持ちさせるために、料理の味をしっかりめにつけているものも特徴です。
さらに、数の子やぶり、鯛などの魚介類は食品そのものに塩分が含まれていたり、かまぼこなどの魚肉の練り製品の摂取量にも注意が必要です。
おせち料理で上手に減塩するための工夫とは?
醤油など調味料をかけ過ぎない
調味料がなくても十分おいしい料理もありますので、かける前にまずは考えるようにしましょう。醤油などをかけて食べるときは、小皿などにとって、つけながら食べましょう。
焼き魚やかまぼこ、数の子などに醤油をかけすぎないように注意しましょう。スプレータイプの醤油を使用することで、たくさんかけてしまうのを防ぐことができますよ。
薄味を心がけよう
煮付けたものが多くなるおせち料理では、特に薄味を心がけましょう。味を効かせたいときは、最後の仕上げで表面に味をつける工夫をしてみてもいいですね。薄味にすることで、素材そのものの美味しさを味わえますよ。
味にメリハリをつける
全てのおせち料理が濃い味にならないように、2、3品に限って味を濃いめにするなど、味にメリハリをつけましょう。そうすると味の変化が楽しめますよ。
酢、レモン、ゆずなど酸味を利用しよう
レモンやすだちによる香りづけや、酢など、酸味を効かせると味のポイントになりますよ。その他、しそ、ミョウガ、三つ葉などの香味野菜やこしょう、わさび、からしなどの香辛料を利用してみても良いですね。
減塩調味料や減塩食品を上手に使おう
醤油やだし、かまぼこなど、今は減塩の調味料や食品も多く売られています。塩分過剰になりがちなおせち料理では、このような食品を上手に活用するのもおすすめです。
栄養士オススメ!減塩おせちレシピ
【ぶりのひとくち照り焼き】
<材料(2人分)>
・ぶり(切り身):2切れ
・大根(すりおろし):150 g
・薄力粉:大さじ2
・塩:ふたつまみ
・酒:大さじ2
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ1
・サラダ油:大さじ1
<作り方>
①ぶりは1切れを4~5つに切り、塩をふってしばらくおく。
②ぶりの水気をふいて薄力粉をまぶす。
③熱したフライパンに油を入れ、ぶりを並べる。
④強めの中火で両面をこんがりと焼く。
⑤火を少し弱めて、酒と醤油を加える。
⑥仕上げにみりんを加えて煮詰める。
⑦てりツヤが出たら器に盛って大根おろしを添える。
<ポイント>
塩をふっておいておく時間が長いほうが、ぶりの吸塩率は低くなります。長くおいて、ぶりから出た水分と一緒に塩を拭き取りましょう。
【紅白なます】
<材料(2人分)>
・大根:150 g
・人参:50 g
・塩:小さじ1/3(下味用)
・酢:大さじ3
・砂糖:大さじ2
・塩:ふたつまみ
・柚子の皮:1/8個分
<作り方>
①人参と大根は千切りにして、水気をきる。
②ボウルに水気を切った人参と大根を塩と共に入れて混ぜ合わせ、5分程度おく。
③別のボウルに調味料を混ぜ合わせ、水気を絞った②を混ぜ合わせる。
④ラップをかけて、冷蔵庫で1時間ほど漬け込む。
⑤味がなじんできたら、器に盛り付けて完成。
⑥仕上げに千切りした柚子皮を飾る。
<ポイント>
塩もみに使う塩は下味をつける目的もありますが、主に脱水のために使います。調味料の量、漬け込む量はお好みで調整して良いですが、減塩する場合は使用量に注意してくださいね。柚子の絞り汁を入れてみると味のポイントになりますよ。
【筑前煮】
<材料(2人)>
・鶏肉:150 g
・れんこん:50 g
・人参:40 g (1/4本)
・ごま油:大さじ1/2
・だし汁:250 ml
・砂糖:大さじ1
・醤油:大さじ1/2
・みりん:大さじ1/2
<作り方>
①鶏肉をひとくちサイズに切る。
②人参、れんこんは皮をむき、乱切りにする。
③鍋に油をひき、鶏肉を炒める。
④鶏肉の表面が白くなったら人参、れんこんを加えて炒める。
⑤だし汁、砂糖、醤油を加えて、アクを取りつつ煮込む。
⑥煮汁が半分くらいになるまで中火で煮詰める。
⑦みりんを入れてひと煮立ちさせる。
⑤器に盛り付けて完成。
<ポイント>
煮物は塩分が多くなりがちです。できるだけ薄味を心がけましょう。だしをしっかりと効かせることがポイントです。具の分量に対して、だしの分量を多めにしてみましょう。
最後に栄養士から一言
減塩の意識をするかしないかでは、塩分摂取量に差が出てきます。おせち料理を楽しみながらも、何か1つでも減塩に取り組むようにしてみましょう!
減塩の工夫やご紹介したレシピもぜひ参考にしてみてくださいね。