休日に「つい寝すぎてしまったら頭が痛くなった」という経験をお持ちの方も多いでしょう。
実は過剰な睡眠は、頭痛の原因になることがあります。ここではその仕組みや対処法について解説します。
寝すぎによる頭痛の原因
睡眠中、脳はリラックスし血管が拡張します。しかし、必要以上に長く眠ると血管が過度に広がり、脳神経のひとつである三叉神経を刺激。結果として大脳に痛みの信号が伝わり、頭痛が起こります。
吐き気をともなう場合
片頭痛に似た痛みでは、脳幹にある「嘔吐中枢」まで刺激が伝わり、吐き気を感じることがあります。
また、そもそも体が疲れていて「長く寝たい」と感じている場合、倦怠感や胃腸の不調が背景にあり、それが吐き気として現れることもあります。
肩こりが関係する場合
長時間同じ姿勢で眠ると、首や肩に負担がかかり血流が滞ります。その結果、肩こりから頭痛につながることもあります。
寝すぎによる頭痛にカフェインは有効?
拍動性の頭痛(ズキズキする痛み)であれば、コーヒーなどのカフェイン摂取が症状を和らげることがあります。ただし、首や肩のこりをともなう頭痛では効果が期待できません。
寝すぎによる頭痛が長引く場合
過剰睡眠に限らず、頭痛が長く続く場合は注意が必要です。脳腫瘍などの病気が隠れている可能性があります。
特に、いびきをかいている、十分眠っているのに熟睡感がないといった場合は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。この病気を放置すると、高血圧や心不全、脳血管障害、糖尿病など生活習慣病のリスクが高まることが知られています。
寝すぎによる頭痛の対処法
肩こりからくる頭痛
・ストレッチやマッサージ
・入浴で血流を促す
片頭痛のような拍動性の頭痛
・暗く静かな場所で安静にする
・頭を冷やす
・適度にカフェインを摂取する(過剰は控える)
・頭痛薬を使用する
いびきや日中の眠気をともなう場合
・就寝前の飲酒を控える
・横向きで眠る
改善が見られない、または症状が長引く場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
予防のための睡眠習慣
成人であれば、一般的に6〜8時間の睡眠で十分とされています。重要なのは「量」より「質」。
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夜更かしを避ける
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適度な運動を取り入れる
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就寝前の飲酒を控える
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毎日同じ時間に寝起きする
これらを意識することで、頭痛予防にもつながります。
日本の研究では、長く寝る(客観的に測定された睡眠時間が長い)ほど、翌日の頭痛強度が高まることが明確になりました。一方で、睡眠の質が良いと頭痛は軽くなるという相関も確認されています。
(Doctors Me 医師監修)