プロテインと聞くと、アスリートやジムに通うマッチョな男性が飲むものというイメージが強いかもしれません。
しかし、プロテインは女性にも嬉しい健康・美容効果があります。今回は、プロテインについて管理栄養士の中山沙折さんに解説していただきました。
プロテインとは?
プロテインは、タンパク質という意味です。一般的には、タンパク質を補うためのサプリメントを指します。
肉、魚、卵などにはもちろん、穀物、野菜や豆類にもタンパク質は含まれます。食事から十分にタンパク質が摂れないと、筋肉が分解されてしまい、基礎代謝が落ちて太りやすくなります。
50 ㎏の成人女性のタンパク質の推奨摂取量は、1日約50 gです。毎日運動をしている方であれば、さらに20 g以上プラスしなければいけません。
この量を食事で摂取するとなると、脂質や糖質も考えながらメニューを選ばなくてはならず、なかなか大変です。
プロテインの種類
プロテインは、大きく分けて2種類あります。ホエイやカゼインと呼ばれる牛乳由来のものと、 ソイプロテインと呼ばれる大豆由来のものです。
ホエイ由来
原料は牛乳です。水溶性で吸収が早いため、トレーニングや運動直後のタンパク質補給に特によいとされます。飲みやすいため、プロテイン初心者や、どの種類のプロテインがよいか悩んでいる方には、ホエイをおすすめします。
<特徴>
・消化吸収が早い(1〜2時間)
・カゼインやソイに比べ美味しい
・溶けやすく、飲みやすい
・持続時間が短い
カゼイン由来
原料はホエイと同じ牛乳ですが、製法が異なります。不水溶性のため固まりやすく、消化に時間がかかる分、体内で長時間にわたり栄養が供給され続けます。
間食として摂取することで空腹を抑え、寝る前に摂取することで就寝中の栄養の枯渇を防ぎます。ダイエット中やトレーニングの休息日に有効なプロテインです。 満腹感が持続するため、運動後につい食べ過ぎてしまうという方にも最適です。
<特徴>
・消化吸収がゆっくり(6〜7時間)
・持続時間が長い
・ホエイに比べ、味が落ちる場合が多い
・ホエイに比べ溶けにくい
大豆タンパク由来
ソイプロテインは、大豆のタンパク質を抽出し粉状にしたものです。糖質や脂質が少なく、ダイエット中に最適です。
大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似ているため、美容目的でも有効とされています。引き締まった体作りだけでなく、皮膚や骨の強化、血行をよくするなどの効果も期待できます。
<特徴>
・消化吸収に時間がかかる
・長時間効果が持続
・3種類の中で1番溶けにくく、味が劣る
・価格が安い
女性に嬉しいプロテインの健康・美容効果
肌や髪の毛がきれいに
タンパク質は筋肉だけではなく、髪、爪、皮膚の原料でもあります。プロテインには、タンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルも添加されています。
使用を続けることで肌がきれいになったり、爪が丈夫になったり美の側面でも変化を感じられるでしょう。
肥満予防
タンパク質を摂ろうとして卵や肉を食べ過ぎると、一緒に脂肪も摂ることになり、肥満につながります。魚や鶏ささみ、大豆製品であれば、脂肪が少ないのでよいでしょう。
手軽に低脂肪のタンパク質を摂りたいときには、プロテインがおすすめです。食の細い女性でも、効率的に栄養補給ができます。
プロテイン摂取の際の注意点
牛乳や卵にアレルギーがある場合は、プロテインの原料に注意して選ぶ必要があります。
タンパク質は、1 gあたり4 kcalです。食べ過ぎるとエネルギー過剰となり、筋肉ではなく脂肪として蓄えられます。また、栄養過多により、皮脂が増えると、肌荒れの原因なることがあります。タンパク質の分解の際に、肝臓や腎臓にも負担がかかるため内臓疲労のリスクもあります。
自分が食事でどの程度のタンパク質を摂ったのかも考えて、過剰摂取にならないようにしましょう。
最後に管理栄養士からひとこと
最近プロテインは、どこでも買えるほど身近なものになりました。ウェイトコントロールや栄養バランスの調整に最適なプロテインですが、頼りすぎずに日々の食事を大切にしながら取り入れていきましょう。
プロフィール
- 監修:栄養士 中山 沙折
- 食品メーカーにて品質保証部、微生物検査を担当。管理栄養士としてダイエット指導や栄養指導、特定保健指導を手掛ける。また、幼少期から18歳まで自身が高度肥満だった経験から、心身共に痩身に関する造詣が深い。三児の母。