季節を問わず、冷えの症状はつらいですよね。冷えが改善せずに長年悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、冷えを改善する食材やレシピについて、管理栄養士の中山沙折さんに教えていただきました。
冷え性とは?
冷え性とは、特に病気がないのに手足の先が冷たい、厚着をしても体が冷えるなどの感覚がある状態です。他にも、便秘や下痢になりやすい、布団に入っても足が冷たくて寝付けない、痩せにくい、などの症状がある方も多いです。冷え性の対策をせずにいると、さまざまな不調が現れてきます。
東洋医学では、冷えは万病のもととして特に重要視され、まずは冷えを改善することがすすめられています。
冷えの原因は?
若い女性に多いのは、ダイエットによる栄養不足や、運動不足で体が熱を作り出せない状態になって起こる四肢末端が冷えるタイプです。座位姿勢の多い仕事などで血流が悪くなり、下半身ばかりが冷えることもあります。
他にもストレスや不規則な生活、女性ホルモンや冷房の影響など、現代の冷え性には多くの要因が重なっています。
冷えそのものの主な原因は、筋肉量が少ないことと、栄養不足による熱産生不足です。食事と運動で改善していきましょう。
冷え性にぴったりの食材
体を温める食材のことを「陽性」、冷やす食材は「陰性」と呼びます。
陽性の食材には、肉や魚などの動物性食品、寒い地域・冬に収穫されるもの、根菜類、塩気が強いものなどが挙げられます。
陰性の食材には、ナスやトマトなどの夏野菜、生野菜、豆腐、果物、コーヒー、緑茶、砂糖を使ったお菓子などが挙げられます。
陽性の食材であっても、その食べ物や飲み物が冷たいと、冷えの原因になります。生姜は体を温めるとよく言われますが、生のまま食べると体を冷やします。加熱すれば体を温める食べ物となります。また、小麦粉、キャベツ、大根などは陰陽の中間とされます。
「食事はバランスよく」が基本で、陰性・陽性の食品ともまんべんなく食べることが大切です。しかし、冷え性のある方は、陽性の食べ物を多く摂ることで改善につながります。
日本人に一番合うのは、和食です。肉、魚、乳製品などと一緒に根菜類の煮物、味噌汁などを意識して食べると、栄養バランスが整い、冷えの症状も軽くなっていくでしょう。
体を温める冷え性改善レシピ
冷え性改善「鶏ごぼうスープ」
<材料(2人分)>
・鶏もも肉 200 g
・ごぼう 1/2本
・しめじ 60 g
・サラダ油
・A【和風顆粒だし小さじ1、生姜すり下ろして大さじ1、酒大さじ1、水500 ml】
<作り方>
1:ごぼうはささがきにして水さらし後、水気を切る。鶏もも肉は一口大に切る。しめじは石づきを取りほぐす。
2:鍋にサラダ油を引き、鶏もも肉を炒める。火が通り始めたら、ごぼうも、しめじを加えて中火で3分程度炒める。
3:Aを加え、灰汁を取りながら6~7分煮る。
4:器に盛りつける。
最後に栄養士からアドバイス
冷えは体がつらいだけではなく、慢性化することで病気にもつながります。
日常生活で体を動かすことを増やして、体を温める食べ物を意識して選びましょう。また、湯船にゆっくり浸かると血流がよくなり、冷えは少しずつ改善していきます。
代謝が上がって体温が上がると、風邪もひきにくくなります。栄養バランスを意識してタンパク質を十分に摂り、体質改善を目指しましょう。
プロフィール
- 監修:栄養士 中山 沙折
- 食品メーカーにて品質保証部、微生物検査を担当。管理栄養士としてダイエット指導や栄養指導、特定保健指導を手掛ける。また、幼少期から18歳まで自身が高度肥満だった経験から、心身共に痩身に関する造詣が深い。三児の母。