「エンプティカロリー」という言葉を聞いたことがありますか?「エンプティ」すなわち「空(から)」というと、カロリーがないという意味に聞こえますね。
しかし、そうではありません。では、何がエンプティなのか栄養士さんに解説していただきました。
エンプティカロリーとは?
栄養がほとんどない高カロリーな食べ物
エンプティカロリーとは、カロリーは高くても、栄養は空っぽか、ほとんどない食べ物のことを指します。固形脂肪や砂糖が多く含まれ、ビタミン・ミネラルなど大切な栄養素は不足しています。
エンプティカロリーは体に蓄積されず、真っ先にエネルギーとして使われます。「お酒はエンプティカロリーだから太らない」とよく言われますが、これは事実であり、間違いでもあります。確かにアルコールはエンプティカロリーで、蓄積されずにすぐに代謝されます。
しかし、お酒の中には、糖質やタンパク質も入っていますし、お酒と一緒におつまみも食べることがほとんどです。アルコールのカロリーはすぐに消費してしまいますが、使われなかった糖質やおつまみ分のカロリーは体に蓄積され、脂肪に代わりやすくなります。
エンプティカロリーの食品
エンプティカロリーの代表格は、アルコール類です。その他にも身近にたくさんあります。一般的に太りやすいと言われるハンバーガーなどのジャンクフードをはじめ、ケーキやクッキー、ドーナツなどの甘いお菓子、ポテトチップスなどのスナック菓子、清涼飲料水も当てはまります。
このような食品を食べない方でも、加工食品によく使われているマーガリンやショートニングもエンプティカロリーです。知らず知らずのうちに口にしていることは多いです。
カロリー収支だけを気にして、食事代わりにお菓子や甘い菓子パンを食べると、痩せないばかりか栄養失調になってしまいます。エンプティカロリーの多い偏った食事を続けると、太っているのに栄養失調という状態になることもあります。
どっちがエンプティカロリー?
さて、次のうちどちらがエンプティカロリーでしょうか。
「ナッツ」と「ピザ」
これは、ピザのほうがエンプティカロリーです。ナッツには、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分などが豊富で糖類の代謝を助けてくれ、抗酸化作用があります。
ピザは具材とチーズでカルシウム・たんぱく質などが摂れますが、それ以上に生地と油分が多いためエンプティカロリー食品になります。
「シリアル」と「そば」
これは、シリアルのほうがエンプティカロリーです。一見ヘルシーで軽いシリアルですが、ほぼ精製されたトウモロコシを加工したくさんの砂糖を絡めてあります。
そばには、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富でアミノ酸スコアも高く、麺類の中では特に優秀な食べ物です。できるだけ小麦粉より、そば粉の比率が高いものを選ぶとよいでしょう。
「ウイスキー」と「ビール」
これは、ビールのほうがエンプティカロリーになります。ウイスキーやブランデー、ウォッカなどの蒸留酒は糖類を原料とせず、ビールや日本酒、チューハイ、ワインなど醸造酒は糖質が含まれています。
ハイボールはウイスキーで作るお酒で、飲みやすく太りにくいのでおすすめです。
栄養士からのアドバイス
何気なく食べている食事の中には、エンプティカロリーが多く存在します。食事もお酒も少し気を付けて選ぶと、体は変わってきますよ。
もし、極端にエンプティカロリー食品の多い食事をしたときは、次の食事で調整して食べましょう。栄養たっぷりの食事を続けていると、太りにくく痩せやすい体に変化していきます。自然とそのような食べ物を選べていけたらよいですね。
(監修:Doctors Me栄養士)