仕事の休憩時間に、コーヒーブレイクを挟む方も多いかと思います。

 

コーヒーに含まれるカフェインには中毒性があり、特に女性は、コーヒーを飲みすぎてしまうと、おもわぬ体調不良を引き起こしてしまうそうです。 

 

そこで今回は、カフェインについて、医師に解説をしていただきました。

 

コーヒーの1日あたりの適量は?

コーヒーの1日当たりの適量は、アメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインでは、カフェインにして1日400 ㎎くらいまでとされています。

 

もちろん体質などによって個人差はあります。 また、子どもについての適量は不明です。

 

一般的な濃さのコーヒーを150 mlくらいのコーヒー用のカップで飲むとしたら、3杯強くらいまでということになります。

 

 

カフェインのメリット・デメリット

メリット

朝にコーヒーなどカフェインを含むものを飲むと、頭がすっきりして眠気覚ましになります。また、仕事や勉強中に一息入れるときに飲むと、よい気分転換にもなります。 

 

カフェインは適量を摂るとこのような好ましい効果のほかに、疲れにくく感じさせる効果もあります。 

 

デメリット

カフェインを摂りすぎると、胃を荒らしてしまいます。また、食事の前後に摂取すると、鉄分の吸収を抑制して貧血を悪化させる場合があります。 

 

また、カフェインの摂りすぎは、自律神経の乱れの原因になります。夕方以降や寝る前などに飲むと不眠の原因になります。

 

特に女性が飲み過ぎてはいけない4つの理由

カルシウム不足になる

カフェインには、利尿効果があります。そのため、尿とともにカルシウムも一緒に排出されてしまうことがデメリットとして挙げられます。 

 

尿からカルシウムが排出されることで血液がカルシウム不足になると、骨のカルシウムが血液中に出てきてしまい、女性に多い骨粗しょう症のリスクが上がります。

 

鉄分の吸収率が悪くなる

コーヒーのカフェインやタンニンは、鉄分の吸収を妨げてしまうと言われています。生理やダイエットなどの影響で貧血の方が多い女性にとっては、鉄分不足はよくありません。食事の30分前後は、カフェインを控えましょう。

 

生理痛に悪影響を及ぼす

生理中にカフェインを摂りすぎると、血管が収縮して生理痛が重くなる可能性があります。 

 

妊婦さんは控えめに!赤ちゃんへの影響

カフェインは、妊娠中に多量に摂取すると、胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、低体重児や発達障害のリスクが上がるとされています。

 

他にも妊婦さんのお腹周りの血管を過度に収縮させることで、流産や早産のリスクも上がるとされています。

 

世界保健機関(WHO)が推奨している妊娠中のカフェインの目安量は、1日300mg(コーヒー2~3杯)までです。

 

しかし、普段の食生活で意識せずに摂取してしまっているカフェインもあるため、妊婦さんは妊娠初期からコーヒーを控えたほうが望ましいと考えます。

 

コーヒーを飲みすぎると起こる体の不調

 

・眠れなくなる 

・胸がどきどきする 

・肌があれる 

・頭痛

・胃がもたれた感じがする 

・コーヒーがないとイライラする 

・貧血になる

・めまい

・吐き気

・嘔吐

・下痢 など

 

カフェイン依存症の症状は?

カフェイン依存症になると、カフェインが体の中にある状態が普通の状態になってしまい、カフェインを摂取しないと以下のような症状が現れます。 

 

・頭がぼんやりする 

・頭痛 

・気持ちの落ち込み 

・不安感 

・吐き気

・嘔吐 など

 

コーヒーの飲みすぎを予防するコツ

 

 コーヒーをたくさん飲むことに慣れてしまっている方は、以下のような飲み物を試してみてはいかがでしょうか。

 

・ノンカフェインのコーヒー 

・タンポポコーヒー 

・ハーブティー 

・麦茶 など 

 

1日の何杯かを置き換えることによって、1日のカフェイン量を抑えることができます。

 

医師からのアドバイス

朝起きて一日の始まりに飲む目覚めのコーヒー、日中の仕事の合間に飲む1杯、どちらも生活習慣の一部になっている方が多いと思います。

 

コーヒーに含まれるカフェインには、覚醒作用があります。しかし、実は朝起きてから90分間はコーヒーを飲むのを控えたほうがよいという見解もあります。

 

人間は朝起きると、コーヒーを飲まなくても目を覚ますホルモンが自然に分泌されています。その中の1つである「コルチゾール」というホルモンは、朝起きてから60~90分かけて分泌がピークになります。この時間帯に、外からカフェインを摂取して目を覚ませてしまうと、本来のコルチゾールの分泌量が減ってしまいます。

 

毎朝のコーヒー生活を何年も続けると人間本来の目を覚ませるホルモンの分泌が少なくなり、寝起きのだるさが続いたり、日中の頭の回転も鈍ってしまいます。

 

コーヒーを飲みすぎを自覚している方は、朝の1杯だけでも控えて、自然に目を覚ませる習慣を意識してもよいかと思います。

 

(監修:Doctors Me医師)

 

●参考文献

1. 濱崎直孝, 濱崎万穂, 訳. 正しい検査の仕方-検体採取から測定まで-. 東京:同文書院, 1998.

2. 厚生労働省のホームページより参照

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

3. 内閣府 食品安全委員会より参照

https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h3001_r1.html

4.  FDAより文献参照 

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/spilling-beans-how-much-caffeine-too-much