日差しが強い季節になってきました。予防対策を万全にして日焼けをしないことが一番ですが、実際に日焼けをしてしまった場合のアフターケアも知っておきたいもの。

 

この記事では、日焼けによって生じる肌の症状とともに、アフターケアの方法について皮膚科医が解説します。

 

目次

 

そもそも「日焼け」とは

日焼けとは、紫外線により皮膚が赤くなる「サンバーン」と、その後皮膚が黒くなる「サンタン」という一連の状態のことを指します。

 

「サンバーン」は紫外線による皮膚のやけどであり、「サンタン」はその結果おこるメラニン(紫外線などの刺激から皮膚を守る色素)の増加です。

 

 

日焼けによって、皮膚にどんな問題が生じる?

 

肌のやけど

サンバーンによって、日焼けした翌日くらいに皮膚が赤くヒリヒリしてきて、時に腫れたり、水ぶくれができたりします。

 

1週間ほど経つと死んだ皮膚が薄い膜状になって剥がれ落ちます。

 

肌の色の変化

その後、次の日焼けに備えた防御として、皮膚では色素細胞でメラニンが大量に作られて皮膚が黒くなるサンタンが起こります。

 

また、長年にわたって紫外線を浴び続ければ、次第に「光老化」が起こってきます。

 

これは、シミ、たるみ、しわ、皮膚の良性・悪性の腫瘍などとして、歳をとってから現れてきます

 

そのため、日焼けはできるだけ避けることをお勧めします。

 

 

症状別、日焼けのアフターケア

 

日焼けのアフターケアとしては、以下をお勧めします。

 

①まずは炎症を抑える

日焼けはやけどの状態と同じですので、まずはしっかり冷やしましょう。

 

また、赤み、ヒリヒリが強い場合や、大きな水ぶくれができて破れてしまった場合などは、早めに皮膚科を受診するといいでしょう。

 

水ぶくれの破れた部分は、二次的な感染を起こすリスクもありますので、入浴時は石けんとシャワーできれいに洗い流すようにしてください。

 

②しっかり保湿をする

日焼けをした後の皮膚は、皮膚のバリアが弱くなっていて乾燥しやすい状態になります。そのため、しっかり保湿をすることをお勧めします。

 

保湿剤は、化粧水などの水分の多い保湿剤と、ワセリンなどの油分の多い保湿剤を重ねると効果が高くなります。

 

水分の多い保湿剤がしみる場合は、油分の多い保湿剤のみでも大丈夫です。

 

③今後の日焼けの予防

痛みや赤みが引いて皮膚が落ちついたら、美容液などでケアをしながら、外出時は日よけ対策と、日焼け止めの外用を行って、日焼けを避けるようにしましょう。

 

 

日焼け予防のポイント

日傘、帽子(広いつばがあるもの)、アームカバーなどにより、日よけ対策をしてください。

 

また、日焼け止めを塗りましょう。

 

日焼け止めには、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があり、これらが単独あるいは組み合わされています。

 

以前は塗ると白くなる製品が多かったですが、最近は白くなりにくく使いやすいものが増えています。

 

吸収剤は、紫外線遮断効果は高いですが、まれにかぶれを起こすことがあります。

 

日焼け止めを塗ってかゆみ、赤みが出る場合は、「ノンケミカル」や「吸収剤未使用」などと表示されている散乱剤だけの製品をお勧めします。

 

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日焼けで受診をするタイミングや目安

赤み、ヒリヒリが強い場合や、大きな水ぶくれができて破れてしまった場合は、皮膚科での治療が必要になります。

 

サンバーンの赤みがサンタンの黒みに変化してしまってから受診すると、治療効果が低くなってしまいますので、できるだけ早めに受診しましょう

 

赤み、ヒリヒリが強い部分にはステロイドの塗り薬が処方されることが多いです。

 

ステロイドの塗り薬は、皮膚の炎症症状の改善を早める効果があります。また、水ぶくれが破れた部分には傷口用の塗り薬が用いられることが多いです。

 

 

まとめ

日焼けは、やけどと同じ現象で、赤み、ヒリヒリ、腫れ、水ぶくれなどができることがあります。

 

日焼けの対処法としては、冷やすこと、しっかり保湿することが重要です。

 

症状が強い場合は、皮膚科を受診して治療しましょう。また、日焼け予防も徹底することが大切です。

 

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プロフィール

医師 金城里美
専門分野は皮膚科全般(一般皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科、アレルギー科)。 東京医科歯科大卒業後、皮膚科医として大学病院、総合病院で7年間勤務。その後、内科・皮膚科クリニックで美容皮膚科の分野にも携わる。現在、総合病院の皮膚科で勤務。三児の母。