動物病院ナビ&獣医師相談では会員様より毎日獣医師への相談を受け付けています。直近で寄せられた相談をピックアップしてご紹介します。

今回は飼い犬のしつけについてのお悩みを2つ紹介します。どちらも噛み癖があったりマウントを取ったりと攻撃的な行動をするワンちゃんについての悩みです。

目次

相談1:噛み癖がひどくケージから出すとすぐ噛みます

相談者

噛み癖がひどいです。犬を飼うのは初めてです。噛むおもちゃを買ってみたりもしましたが、ケージから出すとすぐ噛みます。

膝に乗ってきたりするので、遊んでいるだけかもしれませんが痛いです。怒ってみたり、噛んだらケージに入れたりしてますが、直りません。

3人子供がおり、1番下がまだ3歳で、しつこく注意しているのですが、嫌がる犬を無理矢理抱っこするので、ストレスが溜まっているように思います。何か対策があれば教えてください。よろしくお願いします。

獣医師

こんばんは。 噛み癖にお困りとのことですが、相談者様のワンちゃんはまだ子犬なのですね。 この時期はちょうど歯の生え替わりもあり、何にでも噛み付いてしまう時期でもあります。

とは言え、ここで人や噛んではいけないものを噛むことを許容してしまうと、あとあとでしつけ直すのが大変になりますので、今きちんとしつけておくことは大切です。 人を噛んだときの人間側の対応としてやめた方がいいのは、怒ってみたり、大袈裟な態度をとることです。

犬にとっては人間が構ってくれること(たとえ人間側は怒っていたとしても)自体がご褒美になってしまいますので、噛みついてきたら短く「痛い!」とだけ言ったら後は何事もなかったかのように無視してください。(ワンちゃんの方を見ない。無視というのは犬にとってはかなりの懲罰になります。) 噛んでも相手にされないことを学習していけば、次第に噛んで構ってもらおうとすることをやめていきます。

また、噛んでいないときに褒めてあげることも大切です。噛まずに遊べているときにはたくさん構ってあげて褒めてあげてください。で、噛んできたら無視。これを繰り返せば少しずつ変わってくると思います。 ただ、しつけにおいては家族全員の一貫した対応が重要になってきますので、なかなか難しいとは思いますが、お子さんなど他の家族にも同じ対応をするようにお願いして、しつけのやり方を共有してください。

3歳のお子さんということでしたら、まだまだワンちゃんに構いたくて仕方ない歳頃なので、どうしてもワンちゃんと一緒にいると構ってしまうと思います。これも難しいかもしれませんが、別の部屋で過ごせるなど、1日の中でワンちゃんがお子さんに構われないで済むような時間帯を作るようにすると良いかと思います。

噛むためのおもちゃも色々な種類のものが市販されていますが、ワンちゃんによって好みのタイプが異なりますので、ぬいぐるみなどの布系、ゴム系、ロープ系などいくつか用意してみて、おもちゃなら好きなだけ噛んでも良いというのを教えてあげてください。

おもちゃを使った引っ張りっこなどをして、ワンちゃんの噛みたい欲求、遊びたい欲求を充分に満たして上げるのも良いと思います。 遊びや運動などの欲求も多い歳頃ですので、充分にストレス発散をしてあげれば、よりしつけもしやすくなるかと思います。 以上、ご参考になれば幸いです。

相談2:人にも犬にも牙むき出しの怒った顔で、噛みつこうと襲いかかってしまいます

相談者

普段は温厚ですが、あるシチュエーションになると人にも犬にも牙むき出しの怒った顔で、噛みつこうと襲いかかってしまいます。

そのシチュエーションが下記3パターンになります。

①飼い主である私の膝に乗っている時や抱っこされてる時

②自分がキャリーバッグに入っている時

③ご飯、オヤツを食べている時やオモチャでマウンティングをしている時

この問題行動を無くすもしくは減らす躾方法があればご教授頂けないでしょうか。 よろしくお願いいたします。

獣医師

ご質問ありがとうございます。 ①と②は飼い主さまやバックから守られている、自分より強いものはないという安心感からくる行動かと思われます。

このようなときは、他のワンちゃんを避けること、また威嚇しはじめたら、飼い主さまの抱っこをやめる、バックから出して座らせてみることをおすすめします。

③のマウンティングに関しては、去勢手術はされていますか?されていないのならば、本能からくる行動を抑えることは難しいかと思われます。マウンティング中は落ち着くまで見守ることをおすすめします。

また、大きな音で驚かせるのは、飼い主さまが怪我もしない、1つの方法として有効です。マウンティングをはじめたら、大きな音で驚かせてみて下さい。

また、お子さんを考えていないのならば、去勢手術もおすすめします。威嚇行動が減る可能性があります。また、食べているときは、そっと手を出さないであげて下さい。

お困りでしたら、1度ドックトレーナーや、しつけ教室にワンちゃんと行かれると、直接性格をみながら、アドバイスをしてもらえるかと思わるので、そちらもご検討ください。 少しでも参考になりましたら、幸いです

まだしつけが行き届いていない時には、構ってほしいという心理から噛み付きなどの行動をすることもあるようです。過度に構わず短く大きな音でしかっり叱ってあげることが重要です。また去勢手術前後でワンちゃんの性格も変わることが多いので、攻撃的な側面に悩まされてる場合は去勢手術も選択肢の一つかもしれません。