猩紅熱とは
猩紅熱(しょうこうねつ)は、A群溶血性溶連菌の感染症のうち、発熱後約12-24時間で針頭大の点状紅斑(皮膚の赤いぶつぶつした発疹)がみられたリ、イチゴ舌と呼ばれる舌がみられることを特徴とするものです。その後1週目後半から3週目にかけてやけどの後のように皮膚がはがれていくことが多いです。抗生物質似て治療しますが、中には肺炎や髄膜炎、リウマチ熱や糸球体腎炎などの合併症を起こすこともあります。
猩紅熱の症状
猩紅熱に罹った学童期の子の典型的な症状は、初め咽頭炎等のような喉の痛みを訴え、寒気後38~39度程の発熱があり、嘔吐がある場合もあります。初期に頭痛・腹痛・関節痛等痛みが強くなり中耳炎を併発する恐れがあります。発病後に紅い発疹が首や胸・手首等から全身に広がり、かゆみを伴います。3~4日ほど経過するとイチゴ状の舌になる事が特徴です。治療はペニシリン等の抗生物質を2・3日服用して自宅療養になり3日目位で熱も下がり始めます。喉の痛みも1週間程度で治まります、その後、指先や掌の皮がジャガイモの様に剥けてきます。
細菌性の病気なので必ず抗生物質を飲み切る事が大切です、後期に1%程がリウマチ熱や急性腎炎にかかる恐れがありますので注意が必要で、もし罹ると治療に長い時間を要してしまいます。
猩紅熱の原因
猩紅熱は夏よりも寒い晩秋~春にかけて発生する事が多いです。主な原因は人から人の飛沫感染になりますので、人混みや兄弟姉妹などで感染する可能性が高く、ウイルスではなく細菌による感染症です。赤ちゃんがかかるのは稀で罹っても喉の痛みや腫れだけで発熱しない場合があり、診断も非常に難しいと思います。発病後、2・3日は安静にして通常通りの生活に戻る際は医師の確認が必要になります。昔は一度かかると罹らないと言われていましたが、現在は流行する溶連細菌も5種類くらい見つかっており、5回以上罹患しないと免疫は付かないようです。学童だけでなく免疫能力の落ちている大人も罹りますので家族にうつす可能性もあり、特に妊婦は注意が必要です。
猩紅熱の治療法
予防接種は存在せず、無症状の保菌者がいる為と言われています。猩紅熱の感染経路は飛沫感染になりますので、マスク・手洗い・うがいと風邪等と同じ方法となります。家族の中に罹患者が出て緊急的予防措置として抗生物質の投薬がある場合もありますが、他に有効な方法は無いようです。保菌者に対しては予防措置の投薬も無意味で、10日以上の投薬による除菌の為の治療が必要になります。
罹患しない様に努めるよりは、罹った際にキチンと治療する事のほうが大事です。医師に処方された抗生剤を飲み切るに尽きます、早く治すより完全に治す事を心掛けます。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください