前期破水の症状

前期破水は、陣痛がくる前に破水します。
破水して漏れ出した羊水が多ければ、じゃばっ、とした感覚があるので直ぐにわかりますが、場合によってはちょろちょろと少量ずつ漏れ出すこともあるので、自覚症状がない場合もあります。
  
尿漏れや出産前に増加するおりもの、お風呂の後のお湯と錯覚することもありますが、羊水かどうかはph検査でわかります。羊水はアルカリ性、膣内は弱酸性なので、破水していればアルカリ性になっています。また、羊水は生臭い匂いがするので、異臭で気が付くこともあります。
  
尿漏れならば自分で止めることができますが、羊水の場合はコントロールできないので絶え間なく流れ出ることもあります。

前期破水の原因

前期破水の原因は、卵膜が破ける原因となることがあげられ、様々な要因があります。
重いものを持ったり激しい咳やくしゃみをする、胎動による激しい衝撃、妊娠中の性交渉、多産、羊水過多、そして、一番多いのが、感染症や性病によるものです。
  
B群溶連菌、淋菌、クラミジアなどによって、膣内に炎症が起き、膣内から子宮頸管へ炎症が広がります。子宮頸管には羊水を包んでいる卵膜が接触しており、子宮頸管が炎症を起こすと卵膜が弱くもろくなります。そのことにより、少しの衝撃でも破水しやすくなってしまいます。この状態を絨毛膜羊膜炎といいます。
  
絨毛膜羊膜炎を起こし、何らかの原因で卵膜に刺激が加わって破水してしまい、前期破水となることが一番多いです。その他に、子宮頸管無力症の場合にも破水してしまうこともあります。

前期破水の治療法

前期破水は予防することができます。感染症が引き金となって破水することが多いので、感染症にかからないよう外陰部はいつも清潔に保ち、少しでも気になる症状があれば、早めに医師に相談することです。

子宮が収縮しないように、重いものを持ったりせず、疲れたらすぐに横になる、などのゆとりのある生活を心掛けることが必要です。切迫早産の予防と同じです。
また、精子には子宮を収縮させる働きがありますので、妊娠中の性交渉も控えめにすることが望まれています。
  
感染症の確認は、妊娠中に定期検診で血液検査を行います。感染症が確認されたら、早期に治療することが大切です。
破水したら、胎児への感染の予防のため基本的には分娩へと進むことになりますが、週数によっては赤ちゃんの成長のために1日でも分娩を遅らせる処置がとられます。