腸チフスの症状

腸チフスの症状につきましては、潜伏期間は1~2週間が多くで、約1ヵ月間続くこともあります。38℃以上の発熱を生じ、40℃以上に上がる時もあります。また、朝は微熱、夜は高熱と言う発熱の仕方も特徴です。頭痛、寒気、全身倦怠感、食欲不振、腰痛、背部痛もあり、下痢、吐き気、嘔吐といった症状は少ないと言われる病気です。また、脈拍数が少なく、脈が乱れたりするのも特徴です。
さらに、お腹や背中などに、直径2~5mm程度の薄紅色の発疹が出現する事もあります。第3週位になると病気の回復の兆しもありますが、危険な合併症もおこしやす時期でもあるので、十分注意が必要です。第4週目になると、熱が上がり下がりしながら、数日で平熱に戻ります。

腸チフスの原因

腸チフスは、患者、あるいはまだ感染症状のない感染者の排泄物によって汚染されている水や食べ物を介して、サルモネラ菌の一種であるチフス菌が口から体内に入ることの原因により発症する病気です。経口感染したチフス菌は、小腸からリンパ組織に入り血流にのって感染していきます。
十分に手洗いをせず食事したり、糞にたかったハエが人の食べ物で摂食を行った時に、病原体が食物に付着して摂取される事が原因の時もあります。
また、腸チフスは、上下水道などが整備されていないような、一般的な衛生状態の悪い習慣や条件の場所に発症する事が多いと言われています。どちらかと言うと発展途上国での流行が多く、発展途上国への海外旅行で感染する人が多いとも言えます。

腸チフスの治療法

食事前は、十分手を洗い、食べ物にハエがたからないように常に注意を払いましょう。また、加熱が不十分な食品は、感染しやすい状況にあり、それを避けるためにも調理法にも十分気を使う必要があります。
腸チフスの発症しやすい地域では、生水、野菜や果物の生の食物を摂らないように心掛けましょう。例え、歯を磨くだけでも、生水で口をゆすいではいけないし、また、氷入りの飲み物なども避けるよう、細かい所にも気を付けましょう。また、不衛生な飲食店などでの飲食をさける事も重要な予防です。発展途上国への旅行では、必ず行く1~2週間前にワクチンの予防接種をします。