低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症の症状

低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症は脳脊髄液が減少することにより様々な症状を引き起こします。その症状として、頭痛、首の痛み、めまい、耳鳴り、吐き気、視力の障害等があげられます。また、疲れやすくなる、集中力や思考力、さらに記憶力の低下等が報告されています。
症状のうち頭痛は「横になると楽になる」と言われています。その頭痛のため、「少し起きては横になる」を繰り返す、もしくは寝たきりになる患者も多くおり、家族や社会の中での理解と強力な支援が必要とされています。
くわえて、低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症はまだ広く知られておらず、周囲の理解を非常に得にくい病気でもあるため、患者の精神的なケアも必要とされています。

低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症の原因

低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症の原因は、何らかの衝撃が体に加わることにより硬膜が破れ、髄液が漏れ出し結果、髄液が減少してしまうことにあります。
交通事故の衝撃により、むち打ちの症状と合わせて低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症の症状にながく悩まされることがあります。事故後、すぐに発症する人やいくらか時間がたってからその症状が出る人もいます。
さらに、スポーツをしていて転倒したり、怪我をしたり等、それに伴う体への何らかの衝撃がこの症状を引き起こしてしまうことがあります。家の中でもその危険性は多々あり、軽く尻もちをついただけで発症することもあります。さらに、頭部への何らかの衝撃が加わることによっても発症することがあります。

低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症の治療法

事故等で頭部外傷後に発症する事が多いため、予防としては、頭部の外傷を避ける事です。
治療には、数週間臥床安静、十分な水分、栄養摂取を行います。場合によっては点滴で水分を補うこともあるでしょう。
それでも症状が改善しない場合、検査で髄液の漏出が確認された時には、「硬膜外自家血注入療法」を行う事もあるでしょう。
この治療法は髄液の漏れを止める治療です。漏出部位の近くより、硬膜という脳を覆う膜の外側に入れた穿刺針から、患者さん本人の血液を硬膜の外側に注入し、その血液で髄液の漏れている部位を塞ぐ方法です