扁平苔癬とは
扁平苔癬は、皮膚ではかゆみを伴う多角形で紫色の発疹であり、組織をとって顕微鏡で見ると角化亢進(錯角化、正角化)や棘細胞層の肥厚を伴うのが特徴とされています。口腔内にできる場合もあり、青白いレース状の病変が特徴的で、特に頬の粘膜などに多いとされています。 一般的には、化学物質や細菌などに対する免疫反応によって皮膚を攻撃することが原因ではないかと考えられており、薬剤の副作用として見られる場合もあります。治療としては原因がわかる場合にはその排除、わからない場合には症状がなければ経過観察も可能ですが、症状がある場合にはステロイドの軟膏や内服やビタミンAの内服などが行われます。
扁平苔癬の症状
扁平苔癬の症状は、手足の関節部や身体の各所に紫紅色の平らに盛り上がった発疹ができます。表面は光にあたると蝋のような光沢が見られるのが特徴で、口の中の粘膜にも網状の乳白色の発疹ができることがあります。脚にできた場合は特に大きく厚くなる傾向があり、手指に発疹ができた場合は爪の変形を起こすこともあります。苔癬とは一定範囲内で丘疹がたくさん集まっている症状のことで、それが密集して平らにくっつき合わさった状態になり、ザラザラしたうろこ状のかさつきを伴う丘疹になります。再発性のかゆみがあり、症状は1年以上続くこともあります。かゆいからと引っかいたりすると、そこにまた同じような発疹が広がる現象が起こります。
また、発疹が治った後もその部分の皮膚に色が残ることがあります。
扁平苔癬の原因
扁平苔癬の原因は様々な説があり、今のところはっきりとはわかっていないのが実情です。可能性としては、特定の薬の成分および化学物質、また感染性の細菌やウイルスに対して、リンパ球が皮膚の細胞を攻撃するために起こるのではないかと考えられています。免疫反応が作用している可能性があることから、骨髄移植を受けた人にもこの症状が表れることがあります。また、C型肝炎やエイズウイルスとの関連性、および歯科用の金属による金属アレルギー、さらにストレスなども関連しているのではないかとされています。かつてはカラーフィルムの現像液の付着が原因になって発症することもあったようです。
いずれにしても推測の域であり明確な原因が解明されていないため、今後の研究・解明が望まれています。
扁平苔癬の治療法
扁平苔癬を予防するには、発症の原因の可能性がある薬や化学物質をできるだけ使用しないのが重要です。また金属アレルギーがある場合は特に歯科治療において患者さんによく確認するなど、現状考えられている原因の要因を避けることが第一の方法となります。治療としてステロイド外用薬やステロイド含有テープの使用、放射線療法、および内服薬を用いますが、治療後も予防薬が処方されます。現状でははっきりした原因が解明されていないだけに、まずは原因とされる要因を避けることです。対処療法的ではありますが予防薬によって発症を抑制するのが通常の場合もっとも効果的であるとされています。
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