胆管がんの症状

胆管がんの症状は、細い胆管ががんによって塞がれ、胆汁の流れが止められることによって発生します。発生する症状はまずは黄疸で、目や皮膚が黄色くなり、尿は茶色に、胆汁が出ないため弁は白くなってきます。また、皮膚がかゆくなったり、たまった胆汁に細菌が感染し、発熱する場合もあります。自分では気づかずに、周囲の人に言われてわかることもあります。
肝臓内の胆管の癌は肝内胆管がんと言いますが、こちらの場合は、枝分かれしていることもあり、比較的黄疸が起こりにくく、初期においては症状がなく、出た時はかなり進行していることが多いです。具体的には、みぞおちや腹部の疼痛、体重の減少、倦怠感、食欲低下などがみられます。

胆管がんの原因

胆管がんの原因はまだよくわかっていませんが、胆管と膵管の生まれつきの合流異常である膵胆管合流異常があると、膵液が胆管内に逆流することによって慢性的な刺激となりがんを引き起こすといわれています。その他にも、胆管に慢性炎症を起こす原発性硬化性胆管炎や胆石、胆嚢炎、胆管炎などの場合にもがんになりやすいと言われています。

肝内胆管がんでは、これらに加え、肝内結石やウイルス性肝炎、肝吸虫という寄生虫なども危険因子とされています。

また、食生活の面では、脂肪の取りすぎなど高カロリー摂取や肥満も原因とされています。

2012年に大阪の印刷会社の従業員が多数胆管がんを発症した件については、インクの洗浄剤にふくまれる「1、2ジクロロプロパン」と「ジクロロメタン」が原因であったのではないかと言われています。

胆管がんの治療法

胆管がんを予防するためには、特に太っている方は食生活を改める必要があります。BMIでいうと27以上の場合は23未満に比べてがんの発生確率が1.8倍となるという報告もあります。そのような方は、食生活を改善し、油っこいものや甘いものの摂取を控えたほうがい良いでしょう。
また、胆石の罹患者はそうでない人に比べて、がんの発生確率が2~3倍に達するということですから、コレステロールの摂取を控え、コレステロール胆石の発生を予防するということも重要です。
一方で、鮮魚の摂取は予防要因であるという報告もあり、魚介類をとることも予防になるかもしれません。

胆管がんの治療は、基本は可能であれば手術による切除ということになります。発生部位により、肝臓の一部や胆嚢の合併切除や膵臓の一部の合併切除が必要になる大きな手術です。
黄疸が出ている場合は、胆管の閉塞を解除するために胆管にステントを入れたり、お腹から管を胆管内に入れることがあります。
手術が難しい場合の治療は、抗がん剤や放射線療法が検討されます。抗がん剤は術後に行われることもあります。