ユーイング肉腫の症状

ユーイング肉腫の初発症状は疼痛と腫脹で、発熱や白血球増多などの全身症状を合併するのが特徴です。
骨髄炎との鑑別が重要となります。レントゲンで、長管骨の骨幹から骨幹端にかけて虫食い状、浸潤性の骨破壊像を示すのが特徴です。周辺の骨硬化像は伴いません。腫瘍細胞が骨皮質を完全に破壊する前に、ハバース管、フォルクマン管内に浸潤して、軟部組織内に浸潤する特徴があります。骨外に増殖する際には外骨膜を持ち上げることにより、玉ねぎ様骨膜反応を示す事が多くあります。この玉ねぎ様骨膜反応はユーイング肉腫の代表的な症状になります。
組織像としては、小型円形腫瘍細胞が骨梁間に増生するのがHE染色により確認できます。また、腫瘍細胞はクロマチンに富み、間質には壊死が著明であることもHE染色により確認できます。

ユーイング肉腫の原因

ユーイング肉腫の原因ですが、組織学的な起源と本態は不明です。
近年、原始神経外胚葉性腫瘍primitive neuroectodermal tumor(PNET)との関連性が議論されています。
この2つの腫瘍は現在では同義語とされていますが、Ewing肉腫のほうがより未分化であると考えられています。発生頻度では骨肉腫、骨髄腫、軟骨肉腫に次いで多くなっています。Ewing肉腫、PNETともに免疫組織学的には神経特異エノラーゼ(NSE)、HBA71が陽性となります。また、Ewing肉腫に特徴的な染色体異常である相互転座がPNETにおいても認められます。この転座によって形成されるEWS/FLI-1キメラ遺伝子が両腫瘍の発生の原因になると考えられています。

ユーイング肉腫の治療法

ユーイング肉腫の予防・治療については、いかに被害が少ない状態で切除を行うか、という事になります。
組織学的に、小型円形細胞が密に増殖します。胞体にグリコーゲン顆粒を含むことが多く、壊死巣も著明です。腫瘍細胞間に膠原繊維を認めない事で、悪性リンパ腫や神経芽細胞腫の転移と鑑別する必要があります。
具体的な治療についてですが、抗癌薬、放射線に感受性を示す事が多く、原則的には広範切除術による患肢温存手術が行われます。それが不可能な例では切断、離断術が行われます。また、近年ではEWS-Fli1融合遺伝子を標的とした分子標的治療も試みられるようになっています。