感染性心内膜炎とは
感染性心内膜炎とは、心臓内の血液の逆流を防止する弁や心膜に感染を起こすことで、長期の発熱を起こしたり、弁を壊してしまうなどの症状を起こします。弁の異常や先天性心疾患、弁置換術後などに起こりやすく、歯科治療やカテーテル留置などにより一時的に血中に入った菌が付着することで感染を起こします。炎症による症状のほか、塞栓が末梢に飛ぶことで、血尿や脳塞栓などを起こすこともあります。
感染性心内膜炎の症状
身体に現れる症状から感染性心内膜炎を診断するのではなく、専門的な検査と共に、病歴や経過などを総合的にみて判断します。主な症状は心不全です。息切れがしたり、呼吸困難になります。また4、5日間高熱が続き、前身にだるさを感じます。冷や汗をかいたり、体重が減少したり、食欲も失せてしまいます。さらにツメの下側や唇の裏側が出血したり、手足や足裏に痛みのある血栓症状が見られたりします。
専門的には心臓に雑音がしたり、心電図には不整脈が現れたりします。レントゲンでは心拡大や肺の鬱血が見られ、超音波では細菌の塊がみられたり、動きが悪くなったりすることがあります。血液検査でも炎症の反応が上がったりします。カンセン
感染性心内膜炎の原因
感染性心内膜炎は血液に溶連菌、ブドウ球菌などのばい菌が入ることで発症します。抜歯やカテーテル治療などを受けたことがある場合、先天性心疾患や後天性弁膜疾患を持っている場合、長年透析を受けている場合などは、心臓に菌が留まり付着して巣を作りやすいためかかりやすいようです。
心臓の弁、腱索、心膜などに付着した菌が巣を作ってしまい、炎症を起こし心不全を起こしやすくします。また菌の塊が血液によって別部位に運ばれ、脳や腎臓などの臓器、手足など、体内のいろいろな場所で末梢血管を閉塞させてしまったりします。一年間で、10万人に2〜6人の割合で発症するようです。重い合併症を引き起こしてしまうこともあります。
感染性心内膜炎の治療法
心臓に心配がある場合や、手術を受けたことがある場合、まず、口腔内を清潔に保ち、虫歯ができた場合は歯科医にきちんと相談し治療してもらうことが大切です。また内科や外科でも、何らかの処置を病院で受ける場合は医師に相談し抗生剤を服用します。いずれにしても、心配のある人はかかりつけ医や、受診する際に医師に相談し、適切なアドバイスや治療を受け感染性心内膜炎に罹らないよう細心の注意をします。小児でも罹る感染症なので、歯磨きの他、ツメをかじらない、にきびをつぶさない、などの日常的な注意も必要です。
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