性同一性障害の症状

自らの身体的な性別と精神的な性別の不一致を要因としたさまざまな症状が、性同一性障害の特徴として現れます。いずれも身体的な性別を精神的な性別に近づけたいと願うことから現れてくる症状です。
・自らの性器を間違っていると主張する
・第二次成長期に起こる身体的な性別の変化を嫌悪する
・男性的あるいは女性的な身体的特徴を隠そうとする
・精神的な性別に沿った社会行動をする
これらの症状は年齢に関係なく起こりうるため、特に子供の場合には周囲の大人がきちんとこれらの症状として現れている性同一性障害のサインを汲み取ってあげることが大切です。

性同一性障害の原因

身体的な性別と精神的な性別が不一致となる現象について、明確な原因はまだ明らかにされていませんが、性ホルモンに関わる遺伝子や、胎児の段階で起こる性分化に原因があると考えられています。
また、性同一性障害は、同性愛や異性装といった異なる概念と混同されることも多く、診断には専門家の意見が必要です。同性愛や異性装などの性的思考や趣味を要因として性同一性障害が発生するわけでもありません。それらの概念を通じて、自身の性別の不一致に気付くこともあるかもしれませんが、原因として挙げられるべきものではありません。

性同一性障害の治療法

原因が明らかでないため、性同一性障害をもって生まれてくることを防ぐための予防法は確立されていません。性同一性障害を自覚した、あるいは子供がそのような状態であると気付いた場合には、専門の医療機関を受診し、性別の不一致からくる精神的な苦しみを和らげるために何が必要か考えることが大切です。
性同一性障害の治療は、精神療法、ホルモン療法、外科的治療の3つを順に進めます。
身体的な性別と精神的な性別を一致させることが主に行われていますが、いずれの場合も、まずは本人がどちらの性別で生きていきたいか決定する必要があります。
外科手術に進んだ場合でも精神療法やホルモン療法を継続します。