先天性耳瘻孔とは
先天性耳瘻孔(ろうこう)とは、生まれながらに耳介の前上方などに小さな穴ができる状態です。においが出たり、白い分泌物が出ることもあります。感染を起こすと、膿をもったり赤みが出ることもあります。
症状
先天性耳瘻孔の症状は、穴から膿のような臭いのある分泌物が出ることです。この穴の奥は、管が続いていたり、袋状になっていたりします。また、かゆみを伴うこともあります。耳などに痛みなどがなければ、特に治療の必要はありません。しかし、この穴の奥に細菌などが入ると、炎症がおき、膿がたまって大きく腫れあがることがあります。その時は痛みも伴うので治療が必要となります。炎症がそれほどひどくない場合は、膿をとりだしたり、抗生剤などを服用します。
一方、炎症がひどい場合や何度も炎症を繰り返す場合は、孔を袋ごととる手術を行います。
原因
先天性耳瘻孔は、母親のおなかの中にいる胎児の段階で発生します。耳はその形成過程において、複数のパーツが組み合わさってできていくものですが、その際、完全にそれらのパーツが結合しきらずに隙間ができてしまうことがあります。それが耳瘻孔となっていきます。耳瘻孔は耳介の軟骨の上にできることが多く、また、中には軟骨を貫いたり、耳の中にまで入っていくこともあります。この疾患は比較的多く発生し、日本人の100人に2~3人は持っているものだと言われています。また、遺伝性も指摘されており、両親のいずれかが先天性耳瘻孔を持っている場合、子供もなる場合があります。
治療法
先天性耳瘻孔は、先天性の疾患なので、それ自体を防ぐ方法はありません。しかし、先天性耳瘻孔のひどい炎症を予防するには、2点心がけておくといいことがあります。1点目は、耳の周りを清潔に保っておくことです。炎症は細菌が入り込むことでおこるので、それを防ぐようにきれいなタオルで拭くようにすることです。2点目は、炎症が起きてしまった場合に、早めに耳鼻科にかかることです。軽度の炎症であれば、抗生剤の服用などで改善する場合があります。
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