先天性心疾患とは
先天性心疾患は、胎内で心臓ができる過程に問題があり、心臓の4つの部屋や弁がうまく形成されない状態のことを指し、何種類もの病気の総称です。おおよそ、100人に1人程度の新生児に見られるとされています。胎内にいる段階で超音波検査で診断される場合もあり、病名によってはNICUや小児心臓外科のある施設での出産が行われます。
先天性心疾患の症状
先天性心疾患は、特定の病気を表すものではありません。その状態により、さまざまな病名に分かれます。しかしながら、症状がすすむと、おおむね大多数の病気に共通している症状が2点あります。1つ目に挙げられるのが、チアノーゼです。この症状には、顔色や体の色が青く、唇の血色が悪いなどがあります。恒常的に酸素が不足していることから、泣くなどすると、さらに体色が悪くなります。
2つ目には、心不全が挙げられます。この症状には、身体の青白さや血行の不良などがあります。心臓が十分な血液を供給できないため、さまざまな臓器で血液不足になる懸念があります。
先天性心疾患の原因
先天性心疾患の原因として考えられる主なものには、多因子遺伝があります。多因子遺伝とは、単一ではないいくつかの遺伝子、及び、環境的な要素が絡み合うことで引き起こされる現象のことです。閾値を超えない状態では、病気として発現する可能性は低いものですが、臨界値を逸脱してしまうことで病気へと推移します。そのため、特定の事象を疾病の原因として挙げることは困難です。
その他の原因としては、
・コクサッキーウイルスなどによる先天感染
・母体となる女性の糖尿病疾患、アルコール摂取などによる環境因子
・染色体の異常
などが考えられます。
先天性心疾患の治療法
先天性心疾患は、生まれる前に何らかの要因で先天的な要素を抱える病気の総称で、胎内エコーで見つかることもあります。重篤なものの場合、早期から対策することが大切です。また、出生時はわからないこともあるので、子供の呼吸が荒い、顔色が著しく悪い、ミルクを飲むとハアハアと息が上がる、などの症状が現れた場合には、早急に最寄りの医療機関を受診することが必要です。
疾患の検査には心臓超音波検査などが状況に応じて行われ、その後の治療へとつながります。先天性心疾患であると診断された場合には、医師の判断をあおぐことが大切です。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください