糖尿病性腎症の症状

糖尿病性腎症の症状は、初期には現れず、かなり進行が進んでから自覚症状として現れます。
  
進行とともに尿タンパクが増えてゆき、血圧も次第に上昇します。体の不調として自覚する時期には、すでに第3期と呼ばれる病期に突入しており、むくみや息切れ、食欲不振などの症状が現れます。
 
さらに腎機能が悪化すると、上記症状に加え、悪心、発熱、筋肉の強直などの尿毒症としての症状がみられるようになります。この段階になると、人工腎臓による透析療法を始める必要があります。日本では、人工透析治療をしている人の約4割が糖尿病性腎症の患者と言われています。

糖尿病性腎症の原因

糖尿病性腎症の根本的な原因は、糖尿病からくる高血糖と高血圧です。
  
糖尿病による高血糖な状態は、年月と経るとともに、腎臓にある「糸球体」とよばれる細かな血管を硬い状態へと変化させてしまいます。そこへ、糖を多く含んだドロドロの血液が通過することで、血管内部を傷つけてしまいます。尿を作りだす際に血液中の老廃物を濾過する役割をしている糸球体が傷つき濾過機能が正常でなくなると、体にとって必要な成分さえも尿とともに排出してしまうため、さまざまな体の不調となって現れてくるのです。
  
また、病期が進むと高血圧を発症し、高血圧によりさらに血管が傷つけられ、腎臓の状態が悪化していくという関連を持っています。

糖尿病性腎症の治療法

糖尿病性腎症の進行を防ぐには、初期の段階での兆候を見逃さないようにすることが大切です。
  
自覚症状がないため、むずかしいとされがちですが、目安は「尿タンパク」です。いつ測っても決まって尿タンパクが検出される時点では、すでに糸球体の濾過機能に支障が出ているとされています。微量でも尿たんぱくが続く時点で糖尿の改善にむけて早期の対策をすることが大切です。
  
血圧、血糖値の安定をコントロールすることができれば、進行を防ぐことが可能なため、食事や運動などの生活習慣に気をつけ、定期的に病院での検査を受けることが推奨されます。