症状

無気肺の範囲や原因、程度などにより症状の現れ方は異なりますが、咳と痰は共通した症状です。また、急性と慢性では異なった症状の現れ方になります。
  
無気肺は肺に空気が行き届かなくなり起こるため肺機能が低下しますが、軽症の場合は自覚症状がほとんどありません。肺の虚脱が広範囲になれば、息切れ、心拍数増加、チアノーゼ、胸部圧迫感、胸痛、呼吸困難などの症状が現れます。
 
慢性の場合、感染症や気管支拡張症、破壊、瘢痕化などが起きている部位が複雑に入り混じっているのが特徴です。多くの場合、炎症やがん、良性腫瘍を伴い、気管支結核とがんには特に注意が必要です。

原因

無気肺は、気管支や肺が何らかの原因で閉塞・圧迫され、肺の空気が極端に減り空気が入らないために起こります。気管支では、気管支の内腔が異物、腫瘍、炎症、痰などの分泌物により閉塞することで空気が肺胞まで入りにくくなるのが原因です。
  
肺の場合は、肺線維症、放射線肺臓炎などの疾患により発症したり、肺水腫などの肺収縮時にも発症することがあります。また、胸膜炎、心臓肥大、大動脈瘤などにより肺が圧迫されることでも発症する病気です。
  
無気肺は原因により「閉塞性無気肺」「圧迫性無気肺」「粘着性無気肺」「瘢痕性無気肺」の4つに分類することができます。

治療法

無気肺の原因として注意が必要な「気管支結核」と「がん」を早期に発見するため、定期的に検査を受けましょう。また、深い呼吸も予防効果があります。特に手術後、深い呼吸をすると痰が詰まって無気肺になることを防ぐのに役立ちます。
  
喫煙者の発症リスクが高いため、禁煙をした方がいいでしょう。長期にわたり喫煙習慣がある方には禁煙は一大事ですが、なるべく早い決断が望ましいです。栄養のバランス、適度な運動など、規則正しい生活習慣を身につけることが大切です。