多発性骨髄腫の症状

多発性骨髄腫になると現れる症状は多岐にわたります。骨を破壊する細胞が活性化するため、脊椎や肋骨に痛みを感じます。運動すると悪化する場合もあり、継続的な痛みがある場合は、病的骨折の可能性があります。
また、肺炎や帯状疱疹などの感染症も発生しやすいです。多発性骨髄腫になると、抗体を製造する能力が低下するため、免疫不全となり、感染症になります。
高カルシウム血症によって、脱力感や意識障害などの神経症状も引き起こされます。腫瘍細胞が脊柱管浸潤まで届くと、根性疼痛や膀胱直腸障害が起こったり、末梢神経障害を患ったりします。

多発性骨髄腫の原因

多発性骨髄腫の原因は、現在の研究段階では明らかになっていませんが、遺伝的素因や環境因子、年齢や性別が発病に関係していることが分かっています。
多発性骨髄腫患者の骨髄腫細胞には、遺伝子の異常が数種類生じています。中でも14番染色体の転座や染色体の数の異常が多く、1、13、17染色体の異常は予後に関係があります。日本では10万人に2~3人の割合で発症しています。
40歳未満での発症率は低く、年齢が進むほど発症率が上がっていきます。また、男性患者の方がやや多い傾向にあります。
放射線捕縛やダイオキシンの暴露、化学薬品などの環境因子が原因となることもあります。

多発性骨髄腫の治療法

多発性骨髄腫の治療法は、大きく分けて移植療法と化学療法の2つです。
移植療法は、65歳以下の初発症例に行われることが多い治療法です。自家造血幹細胞移植を末梢血幹細胞によって行います。
化学療法には2種類あり、通常行われるものと、難治性や進行性、再発性のものに対して行われるものがあります。通常はMP療法やCP療法、HD-DEX療法などで、難治性などには、サリドマイドやレナリドミド、ボルテゾミフなどが行われます。