骨髄異形成症候群の症状

骨髄異形成症候群の発症時には、症状がない場合もあります。正常な血液が造られず、赤血球や血小板の減少、白血球の減少や増加が起きると、下記のような症状がみられるようになります。
・赤血球の減少により全身倦怠感、息切れ、動悸、脱力感が生じます。
・白血球の減少により病原体に対する抵抗力が低下し発熱や肺炎、腸炎、感染症などが起きます。
・血小板減少により皮下出血や内出血ができやすくなる、鼻出血、歯肉出血が止まりにくくなります。
病状が進行するにつれて未熟な血液細胞である芽球の割合が増えると考えられています。WHOの分類では芽球の割合が20%を超えると急性骨髄性白血病に移行したと診断されます。

骨髄異形成症候群の原因

骨髄異形成症候群が発病する原因は不明です。主に下記の3つが原因ではないかと推定されています。
・老化
50才以上の患者が多くみられ、高齢になるにつれて患者数が増加します。そのため老化との関連が疑われていますが、若年者にも起こります。
・化学療法や放射線療法の既往
有害物質により造血幹細胞の遺伝子が損傷し、骨髄異形成症候群を発症するのでないかと考えられています。有害物質は煙草の煙や農薬、肥料、有機化学物質、重金属などです。
・遺伝子変異
骨髄異形成症候群の患者さんの約半分には染色体異常がみられるため要因の一つとして考えられています。

骨髄異形成症候群の治療法

骨髄異形成症候群の予防法はまだ確立していません。
症状が軽いと治療せず経過観察をする場合もありますが、病型や症状により下記の治療が行われます。
白血病への移行リスクが少ない例では経過観察の場合もあります。
・支持療法
輸血療法や薬物療法、抗生物質、抗真菌薬による治療です。
・免疫抑制療法
免疫抑制剤を用います。
・化学療法
抗がん剤の投与によって芽球を減少させます。
・ 造血幹細胞移植
高齢者や臓器障害がある場合は少量化学療法が行われるケースもあります。