慢性骨髄性白血病の症状

慢性骨髄性白血病はゆるやかに進行します。白血病細胞に分化前の芽球量や症状の重さをもとにした臨床病期により、次の3つに分類されます。
  
・慢性期…ほとんどの場合は無症状であり、健康診断の血液検査が病気発見の端緒となるケースが多く見られます。
  
・移行期…芽球から血球への分化が停止しはじめ造血が阻害されるため、強い貧血、血小板減少による出血症状、全身倦怠、脾腫による腹部膨満、発熱、関節痛などが現れます。
  
・急性転化期…骨髄や末梢血中に芽球が増加して貧血や出血などの症状が重篤化し、化学療法による治療が困難になります。骨髄外での腫瘤形成や芽球の髄膜浸潤が起こることもあります。

慢性骨髄性白血病の原因

慢性骨髄性白血病の発症メカニズムは
・造血幹細胞内に染色体相互転座によってフィラデルフィア染色体が生じる
・フィラデルフィア染色体上にある新たな融合遺伝子の作るタンパク質が白血病細胞を無秩序に増殖させる
とされています。
  
しかし、染色体が転座を起こす原因についてはいまだ解明されていません。広島、長崎などの被曝地で発症率が高まった経緯から、放射線被曝により発症リスクが上がると言われていますが、医学的には明確になっていません。
  
慢性骨髄性白血病は遺伝子の突然変異による疾患ですが、フィラデルフィア染色体は子孫に遺伝せず、遺伝性のものではありません。

慢性骨髄性白血病の治療法

慢性骨髄性白血病は発症原因が解明されていませんので、特段の予防法などはなく、早期発見・早期治療によって重篤化を防ぐのが最良です。発見が慢性期であれば、化学療法による寛解が期待されます。
  
健康診断等の血液検査で白血球数、特に、好中球と好塩基球が増加しており、発熱などの感染症の症状がない場合は、白血病を疑い確定検査を行います。血液検査の全血球数算定と分画において、ヘモグロビン値の低下や血小板増多、全ての分化段階の白血球が見られる点も特徴です。