ヒルシュスプルング病とは
ヒルシュスプルング病とは、消化管の動きをつかさどる腸の神経節細胞が生まれつきないため、慢性の便秘を呈します。 先天性巨大結腸症ともいい、大腸が大きく拡張してしまうことが特徴です。重篤化すると、腸閉塞につながり命にかかわるリスクもあります。
ヒルシュスプルング病の症状
ヒルシュスプルング病は、生まれたばかりの新生児の段階で見つかるケースの多い病気です。5000人のうちに1人という割合で罹患者が報告されています。ヒルシュスプルング病の主だった症状としては、排便が困難であることや、おならの排出が困難であることなどがあり、それに起因して下腹部の張りが現れます。新生児においては、通常24時間内に胎便と呼ばれる生まれて初めての便通が確認できますが、この疾病においては胎便の排出が遅れ、これが初期の症状として確認される場合が多いものとなっています。
進行すると、嘔吐、食欲不振による栄養不足や肝臓の異常などを起こす恐れがあります。
ヒルシュスプルング病の原因
ヒルシュスプルング病の原因は、詳しく分かっていません。遺伝子の状態に問題があるのではないかと推測されていますが、変異を起こす遺伝子も症例によってさまざまであることから、根本的な原因の特定は未だ困難な状態です。ヒルシュスプルング病を起こすメカニズムとしては、大腸・小腸の内部にある神経節細胞が、先天的な何らかの要因で欠如していることによります。腸内の蠕動の役割を担う神経節細胞が機能しないことで、便を腸内から排出することが困難であるために、腹部の膨満など、特有の症状を引き起こす結果となると考えられています。
ヒルシュスプルング病の治療法
ヒルシュスプルング病は、誕生前からの先天的な要因で引き起こされる疾病です。そのため、予防になる方法などは、特にありません。しかしながら、腹部X線検査や注腸造影検査などの各種の検査によって、この疾病を特定することが可能です。新生児に便秘が続くといった症状が見られる場合には、できるかぎり早急に医師の診断を受けることが推奨されます。検査によってヒルシュスプルング病が発見された場合には、外科手術による治療などが進められる場合があります。
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