亜急性甲状腺炎とは
亜急性甲状腺炎とは、急性よりは長く続くものの慢性化することのない「亜急性」の甲状腺炎です。原因としてはウイルスによる場合が多く、甲状腺が腫れあがり、痛みや発熱をもよおします。またこの病気は男性よりも圧倒的に女性に多く見られる病気で、患者は30代から40代の女性が多い傾向です。
亜急性甲状腺炎の症状
亜急性甲状腺炎の症状は、風邪のような喉や鼻の不快感から始まり、その状態を数日から数週間経て発症します。発症した際には、甲状腺が腫れあがっていることが手で触れてみても確認できるほどです。甲状腺が位置している首の部位が痛くなったり、甲状腺の部位を押すと飛びあがるほど痛みが走ったりすることもあります。また、微熱から高熱まで発することもあります。甲状腺炎がひどくなった場合であると、全身に気怠さをもよおしたり動悸や息切れがひどくなったりする他、汗を頻繁にかくようになるといった症状もあります。ただしこの状態は慢性的なものではなく、ほとんどの場合、一定期間を経ると自然に治ります。
亜急性甲状腺炎の原因
亜急性甲状腺炎の原因は解明されていません。ただ、何らかのウイルスに感染することだといわれていますが、その原因となるウイルスは発見されていませんので、ウイルス感染によるものであるのかについても未だ証明されていません。この亜急性甲状腺炎は発症する時期が圧倒的に夏に多いと言われており、冬にはまれにしか発症がみられないといわれています。ウイルス感染が原因ではないかと考えられているものの、症状が出た人の近くにいると感染するということではありません。バセドウ病と類似する症状がありますが、それとはメカニズムが異なるため、原因にも類似性はないとされています。
亜急性甲状腺炎の治療法
亜急性甲状腺炎は原因がわかっていない病気であるため、予防することは困難です。しかしながら症状ははっきりしているために、この病気を発見することは容易です。症状が出た際にはなるべく激しい運動は控えて安静にしていれば、基本的には自然に治癒します。薬を用いて治療する際は、副腎皮質ホルモン剤による効果を期待できます。薬を飲んだ次の日には熱が下がり、甲状腺の痛みもひきます。ただし薬の服用をすぐにやめてしまうと再発する可能性があるため、処方された分量を正しく飲むことが重要です。
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