脂腺母斑の症状

脂腺母斑の症状は年齢によって変化し、症状から
1.新生児から幼児
2.思春期以降
3.成人?30代以降
の3期に分類することができます。1では表面にざらつきのある黄色いあざが薄い凹凸をともなって広がっているか、もしくは平ら、2では、成長とともに皮膚が引き伸ばされることによってあざの範囲が広がりつつ、細い粒やイボのように盛り上がりが起こり、色も濃くなって褐色に近くなってきます。また、この時期にはかゆみや臭いを伴うこともあります。3ではまれに、あざの上に腫瘍が発生します。脂腺母斑の上にできる腫瘍の大部分は良性ですが、1割程度の確率で悪性の基底細胞がんもみられます。広範囲の脂腺母斑では「表皮母斑症候群」といって、神経や骨の発達の異常を合併することがあります。

脂腺母斑の原因

皮脂を分泌するための「脂腺」は、手のひらと足の裏以外の全身の肌に存在します。脂腺母斑はこの脂腺異常に増えてしまったために、皮膚に影響を及ぼしてしまっている症状ですが、「なぜ脂腺母斑ができるのか」ということについては医学的に解明されてはいません。脂腺は場所によって多い部分と少ない部分があり、頭皮は非常に脂腺が多い部分であることから、脂腺母斑の大半は頭皮にあらわれ、次いで顔に多くみられます。
  
思春期に入ると脂腺母斑の色が濃くなったり、顆粒状やイボ状に隆起したりする原因は、ホルモンの影響で脂腺の働きが活発化するからだといわれています。また、腫瘍の発生については「成人してからの発生が多い」ということがわかっています。

脂腺母斑の治療法

脂腺母斑の治療は、「外科手術による切除」です。脂腺母斑においてもっとも問題になるのは腫瘍の発生素地となるという点ですが、腫瘍の発生は成人以降、大部分が30代以降に発生するため、「予防目的での手術を行うか」「行うとしたらどのタイミングで行うか」といったことについては、医師によって見解、方針の違いがみられます。
  
一般的には幼少期の方が切除の傷跡が残りにくくなりますが、まだじっとしていることが難しい年齢では身体的負担の大きい全身麻酔を使用しなければならないこともあり、学童期に局所麻酔を使って行なわれることが多くなっています。