真性半陰陽の症状

真性半陰陽は、新生児の段階で発見されることが多いですが、中には思春期の年代に入ってから、第2次性徴の段階で異変に気がつき、診断されることもあります。
新生児の段階で真性半陰陽と診断される症状は
・外性器の形が通常と異なる
・外性器が黒ずんでいる
ですが、成長するに従って、性器は人それぞれ異なった発育を認めます。
  
外性器の異常の一例には
・発育の不良
・尿道口の後退
・停留精巣等
がありますが、これも多数のケースがあります。
  
思春期に入ると第2次性徴が現れ、真性半陰陽では卵巣と精巣の両方を持っていることから、男女両方の性徴がみられるようになります。また第2次性徴を迎えても、外性器の発達は未熟であることがほとんどです。

真性半陰陽の原因

人の性別を決めるのは、全部で46本ある染色体のうち、2本の「性染色体」です。性染色体は全ての細胞で、男性なら「XY」、女性なら「XX」となっているのが普通ですが、真性半陰陽では、胎児が成長する段階で何らかのエラーが起こり、細胞によって「XY」を持つものと「YY」を持つものが発生してしまった「モザイク」と呼ばれるケースと、性染色体は「XX」か「XY」のいずれかであったものの
・「XX」でありながら胎児の段階で男性ホルモンが過剰に分泌される
・「XY」でありながら男性ホルモンの分泌が少ない
といった問題が起きたケースが考えられます。真性半陰陽の場合の性染色体構造でもっとも多いのは「XX」で、全体の症例の6割程度を占めています。

真性半陰陽の治療法

かつては先天性異常とされていた真性半陰陽ですが、現在では性分化疾患として、「性の分化が非定型である」と捉えられています。そのためどちらかの性腺を切除し、外性器の形成を行う手術に関しては、本人の意志がわからない段階で、親や医師の意向で行われるべきではなく、本人がどちらの性を自認するかということを考慮し、慎重に行なわれるべきとされています。
  
手術後は片方の性腺を取り除くことによってホルモン不足になり、骨粗鬆症等の問題が起きてくることがあるため、適切にホルモンを補充する治療を続けることが推奨されています。