好中球減少症とは
好中球減少症とは、5種類ある白血球のうちの1つであり、白血球全体の6割を占める「好中球」が一定数以下に減ってしまう疾患のことです。原因は非常に多くのものが考えられ、重症化すればするほど感染症のリスクが高まります。好中球の減少自体は無症状のため、感染症にかかった際に検査で発見することが多くなっています。
好中球減少症の症状
好中球減少症では、基本的に何らかの感染症にかかるまで無症状です。しかし通院の必要はないと自分で判断するレベルの発熱の繰り返し、口内炎や口腔内の潰瘍、皮膚の感染症等の症状がみられることもあります。重症の好中球減少症においては、以上の症状に加え、
・リンパ節の腫れ
・咽頭炎
・肺炎
・敗血症
を発症することが多くなっています。
症状の進行には
・先天性
・慢性
・周期性
・急性
があり、先天性では生まれた直後から感染症を繰り返すことから好中球減少症が疑われます。
周期性の場合には「感染症に罹患→数日で軽快」というパターンを繰り返します。一時的に軽快するとしても、最終的には重篤な症状へ繋がることが多く、いずれにしても早期の治療開始が求められます。
好中球減少症の原因
好中球減少症の原因には・先天性
・薬の影響
・造血機能の障害
・好中球自体の問題
・病気の影響
等があります。
先天性の好中球減少症には遺伝性、家族性が含まれており、原因遺伝子についても一部は解明されていますが、ほとんどの症例については不明です。
先天性の慢性好中球減少症には
・周期性
・慢性本態性
・自己免疫性
等があり、自己免疫性においてもT細胞や自己抗体が原因ではないかと考えられているものの詳しいことはわかっていません。
最も多い原因は、薬の影響だといわれており、原因となる可能性のある薬剤は、抗生物質、抗がん剤、抗甲状腺薬、抗不整脈薬や糖尿病薬など多数存在します。また、好中球の減少と同時に貧血や血小板の減少を合併することもあります。
好中球減少症の治療法
軽症の場合や感染症等の影響で一時的に好中球が減少していると判断される場合には、経過観察となります。好中球減少症が原因で感染が起きている場合には、重症化を防ぐために原因感染の強力な抗生物質の投与を入院治療で行ないます。また、原因薬剤がある場合には使用を中止します。先天性好中球減少症の治療には、「顆粒球コロニー刺激因子」の投与が有効ですが、白血病細胞増加等の副作用もみられることから十分なリスク管理が必要です。免疫に関連した好中球減少症の場合には「コルチコステロイド薬」や免疫を抑制する薬を使用することもあります。
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