外リンパ瘻の症状

外リンパ瘻は難聴やめまい、耳鳴り、平衡障害といった内耳の機能障害の症状がでます。また、気分の変動や自律神経症状がみられることがあり、吐き気や嘔吐、車酔い、頭痛といった症状もみられます。進行性難聴や変動性難聴を示す場合は難治例である可能性が高く注意が必要です。
  
以前はこれらの症状や検査からは外リンパ瘻を確定的に診断することはできませんでしたが、外リンパ瘻特異的蛋白CTPを用いた検査法が発明され確定診断が可能となりました。
  
合併症としては自閉感や頭重感、平衡機能障害による歩行障害があり、適切な治療をしてもめまいなどの後遺症が残ってしまうことがあります。

外リンパ瘻の原因

外リンパ瘻は中耳圧や脳脊髄液圧の上昇により前庭窓などに瘻孔を生じ外リンパ液が漏出してしまうことによります。スポーツや飛行機、頭部打撲などが多いです。
  
一般に、外耳によってひろわれた音は外耳道を通って鼓膜からツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨へと振動が伝わります。内耳の入り口である前庭窓にアブミ骨は接しているため、アブミ骨の振動は前庭階から蝸牛頂、さらに鼓室階へと順に伝わり中を満たす外リンパの圧を変化させます。
  
この圧変化が蝸牛管壁の基底板から内リンパ液に伝わり蝸牛管内のコルチ器に感知されることで上皮から蝸牛神経を介して中枢へと送られます。従って、外リンパ液が前庭窓や蝸牛窓から漏れ出てしまうことで、外リンパ液の圧変化に障害が起こります。

外リンパ瘻の治療法

外リンパ瘻の治療には保存的治療と外科的治療があります。外リンパ瘻孔は自然に閉鎖する可能性があるので脳脊髄圧を下げる目的で頭を30度挙上した状態で安静を保ちながらステロイドを用いて治療します(保存的治療)。
  
保存的治療によって症状の改善がみられない、もしくは症状の悪化や変動、安静解除から症状の悪化がみられる場合には瘻孔閉鎖術や内耳窓閉鎖術という手術によって治療します。  
  
また、外リンパ瘻患者の日常的な注意点としてはうつむかないこと、気張らないこと、息を止めないこと、ため息をしないことなどが挙げられます。これらの行動によって症状の悪化がみられます。