慢性化膿性中耳炎とは
慢性化膿性中耳炎とは、中耳炎を繰り返したり、不十分な治癒だった場合に、鼓膜の穿孔が閉じなくなる状態です。慢性中耳炎で鼓膜に穿孔があると音の伝導が悪くなり、難聴の原因になります。また、内耳性難聴やめまいが現れるのもこの慢性化膿性中耳炎の特徴です。一般的に医療機関で慢性中耳炎とと診断された場合は慢性化膿性中耳炎のことです。
慢性化膿性中耳炎の症状
慢性化膿性中耳炎の主な症状は耳垂れと難聴です。鼓膜にできた穴に細菌が入ることで、その細菌を排出しようと膿を出し、じくじくします。また、鼓膜に穴があいているため音が伝わりにくくなり、軽度の伝音難聴が生じます。最初は軽度ですが、穴が大きくなったり、細菌の感染が長引くと感音難聴となったり、低温性の耳なり、めまいを引き起こします。また、耳の周りが痛み出したり、頭痛、耳小骨の動きを阻害することもあります。
重症化すると顔面神経麻痺、脳膿瘍などになる場合もあるので症状が進行する前に医療機関での受診が必要です。
慢性化膿性中耳炎の原因
慢性化膿性中耳炎の原因は未だ解明されておらず、その原因は個々様々であるため、一概にこれという断定が出来ません。考えられる要因として1つは起炎菌です。炎症の原因ともなる起炎菌は初めて中耳炎にかかった際に使われる抗生剤が効きにくい場合、治療期間が長期化することで慢性化する可能性が高くなります。
2つ目は耳管の機能障害です。特に小さい子供や50~60歳の人がよくかかる滲出性中耳炎で自然に回復せずに悪いままの状態になった場合、慢性化すると言われています。
3つ目は傷の治癒障害です。鼓膜に穴があいてそれが閉じる機能はまだ十分に解明されていません。しかしこの治癒障害を持っていると穴が塞がりづらく慢性化してしまうと考えられています。
4つ目は免疫力の低下です。免疫力が低下していると中耳炎になった際も炎症の程度がひどかったり、治りにくくなります。そのため慢性化するのではないかと考えられています。
慢性化膿性中耳炎の治療法
慢性化膿性中耳炎の治療は2種類あり、保存的治療と外科的治療があります。保存的治療とは抗生剤で耳垂れを止めて感染を軽くすることです。しかし、風邪をひくなど体調を崩すとまた再発する可能性があります。
外科的治療とは手術です。手術は主に穴があいている場合にしますが、穴が比較的小さい、または軽度である場合は局所麻酔で鼓膜形成術をします。鼓膜形成術の場合、短期間入院が可能ですが、穴が大きい、または炎症が重度の場合は全身麻酔で伝音連鎖の再建と鼓膜形成、または鼓室形成手術をし、10日程度の入院が必要となります。
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