E型肝炎の症状

E型肝炎の症状としては、E型肝炎ウイルスに感染した2~9週間後に発熱、食欲低下、吐き気、全身倦怠感、腹痛、お腹の張り、嘔吐、肝機能低下、尿が黄色くなる、黄疸が生じ、その症状はA型肝炎に似ています。
  
血液検査ではGOT、GPT、LDH上昇、総ビリルビンの上昇、ALP、γGTPの上昇が見られ、それと同時にコレステロール、アルブミン、コリンエステラーゼの低下が見られます。重症化すると劇症肝炎ないし肝不全となって1~2%の死亡率を示し、諸外国ではそれが妊娠後期の人だと死亡率が20%前後になるといわれます。
  
また高齢者は重症化しやすい傾向があるので注意が必要です。日本では無症候性であることがほとんどで、知らない間に進行している場合も多いです。

E型肝炎の原因

E型肝炎の原因は、主に糞便などによって飲料水や食料に汚染が見られ、それが媒介されることによって発症します。主に東南アジア、インド、アフリカ、中央アメリカが流行地とされていましたが、近年では日本においても発生源ウイルスがあると報告されています。
  
一般的にモンスーンや大量降雨など給水機能の混乱によって発生するのが広域発生の原因とされています。また、豚やシカ、イノシシなど動物を発生源とする人畜共通感染症と考えられており、豚の生肉やレバー、ホルモンなどが原因で発症すると報告されています。

E型肝炎の治療法

E型肝炎の予防方法としては、糞便の適切な処理と廃棄、手洗いの励行、飲料水や食べ物を加熱すること、他人がカットや皮をむくなど手を加えた果物や野菜をとらないようにすること、公衆衛生の向上、公共水道設備の向上です。
  
治療方法としては今のところ対処療法しかないですが、通常は自然に治る感染症のため4~6週間以内に回復するとされています。急性期の場合には入院や安静が必要となり、自然に治るのを待ちます。食欲がない場合には輸液治療をすることもあります。劇症化した場合には人工肝補助療法、血漿交換、肝移植など特殊な治療が必要となります。
  
また現在ワクチンはまだ実用化されていないようです。