神経膠腫の症状

MRIやCTで脳の映像を見ることでだいたいは発見することが可能です。また、専門医が診ればその腫瘍の種類までだいたいは判別が出来ます。日本だと、原発性の脳腫瘍は10万人に12人程度発症しています。この発症率は、欧米ともほぼ同じといわれています。
  
また、一口に神経膠腫といってもいくつかの種類に分かれています。神経膠腫の中でもっとも多いのは、「星細胞腫」で、悪性度が高いと進行が早く、症状が出てから意識障害が出るまで数週間から数ヶ月の場合もあるのが特徴です。
  
症状としては、脳腫瘍全般と同じく、腫瘍によって頭蓋骨の内圧が高くなることによる頭痛や吐き気、嘔吐が挙げられます。また、極度に内圧が高くなると脳ヘルニアが起こる可能性があります。それにより、突然意識を失ったり呼吸が停止してしまったりという重篤な状態を引き起こしてしまいます。
  
腫瘍ができた部位によって、その部分の脳の働きが阻害されます。そのため、腫瘍が出来た部位の脳がつかさどる機能が低下したことによるさまざまな症状も発現します。たとえば、運動のバランスをとる小脳に腫瘍が出来た場合、まっすぐに歩けない、手足がふるえるといった症状が出ます。

神経膠腫の原因

はっきりとした発生原因は不明ですが、最近の研究により、神経膠腫は、細胞周期関連遺伝子、増殖因子やその受容体遺伝子、DNA修復関連遺伝子、細胞分化・浸潤・接着に関与する遺伝子、血管新生に関与する遺伝子などといった複数の遺伝子の異常が関係していることがわかっています。

神経膠腫の治療法

神経腫瘍は、周囲の脳にじわじわしみ込むように広がっていくため、正常な脳との境目がわかりにくい腫瘍です。そのため、手術ですべて摘出するのが難しく、手術をしたあとにも再発防止のために放射線療法や化学療法も必要になります。
再発予防の治療をしていても数ヶ月から数年で再発することもあり、そのときは一度目に比べて治療が困難な状態になることが多くなります。再発時も可能であれば手術で腫瘍をできるだけ摘出し、定位的放射線治療を行うことが多いです。
  
また予防策に関しても有効的な方法が発見できておらず、早期発見で治療をすることが最も有効といえます。頭痛や視力低下など異常が続いたら早めに医師に相談するのが適策です。