自己免疫性膵炎の症状

自己免疫性膵炎は、黄疸や体重減少、腹痛などの症状が現れることがあります。自己免疫性膵炎は、膵臓が慢性的な炎症を起こして肥大することにより、膵臓内にある胆管がつぶされ、腸に胆汁が流れなくなってしまいます。このことにより、黄疸が起こります。患者の約60%が、黄疸を初発症状とすると言われています。
  
体重減少については、約30%の人に現れるとされているので、現れないことの方が多い症状です。また、腹痛については全く感じない人もいますし、感じたとしても軽度だと言われています。

自己免疫性膵炎の原因

自己免疫性膵炎は、自己免疫の異常により、自分自身の膵臓を攻撃してしまうことが原因で起こり、膵臓に慢性的な炎症を引き起こさせてしまいます。しかし、高齢の男性に発症することが比較的多いことを疑問視する意見も存在し、厳密にはわかっていないというのが現状です。
  
自己免疫の異常が原因と推測される理由には、免疫グロブリンが上昇すること、ステロイド治療に効果が見られること、自己抗体が存在すること、膵臓の組織に細胞性免疫応答が見られることなどが挙げられています。

自己免疫性膵炎の治療法

自己免疫性膵炎は、副腎皮質ステロイドホルモン治療が有効で、プレドニゾロンというステロイド剤が処方されます。この治療により、膵組織の再生による機能回復が認められたとの報告も存在します。
  
ステロイド剤の量は徐々に減らしていくのが一般的で、最終的には5mg程度に落ち着かせることが多いと言われています。ステロイドは短期で服用を中止すると、再燃が多いことはわかっているのですが、どの程度服用期間をを維持すれば良いかということは、今のところはっきりとはわかっていません。