骨軟化症とは
骨軟化症は、類骨(タンパク質)の網目の石灰化が阻害されることにより、類骨が骨化せず、結果として簡単に骨折したり、関節痛や腰背痛を生じる病気です。骨が曲がったりする症状があらわれます。骨軟化症の名前は、骨が成長した後に発生する成人での名称で、骨成長前の子供では「くる病」と呼ばれています。
骨軟化症の症状
骨軟化症は、発症当初では自覚症状はほとんどありません。しかし、病気が進行すると体の様々なところで慢性的な痛みが発生してきます。骨が柔らかくなるために自分自身の体重を支えることが困難となり、姿勢を維持するために筋肉等に負担がかかるため、結果として負担がかかった部分に慢性的な痛みが生じます。特に、腰・背中・股関節に症状があらわれやすいです。大腿部等骨痛と呼ばれるような疼痛が起こったり、筋力低下や脱力感を伴うことがあります。
症状が悪化することにより、慢性的に痛む箇所は増えると同時に痛みが増し、骨自体が柔らかくなっていますので、骨が変形してしまい、日常生活を送ることが困難となる場合があります。
骨軟化症の原因
骨軟化症はビタミンDの欠乏によって生じる場合が多くありました。ビタミンDは、人間の体内で生産できる唯一のビタミンで、日光に当たることで生産できるのですが、例えば、胃切除後や胆汁の分泌不足によるビタミンDの吸収不良、日光にあたらないこと、ビタミンDの活性化に必要な酵素の欠損によるもの、慢性腎不全によるビタミンDの活性化不良等により、ビタミンDが摂取できないため、骨軟化症を発症することがあります。現在では、純粋なビタミンDの欠乏ではなく、ビタミンD抵抗性くる病の成人型が(家族性低リン酸血症性骨軟化症)増加しています。これは腎尿細管におけるリンの再吸収障害が原因です。また、骨や軟骨に発症したがん・腫瘍によって発症する場合もあります。
骨軟化症の治療法
骨軟化症は、ビタミンDの欠乏によって生じますので、ビタミンDの摂取のため日光浴などが大切です。また薬物療法として、症状に応じた形ではありますが、ビタミンD製剤が投与されることがあります。また、これも症状にもよりますが、リン製剤の投与も併用されることがあります。治療開始後は、治療効果や副作用をチェックするため、定期的に血液検査や尿検査が実施されます。また、病気が進行して下肢等に骨の変形が生じ、日常生活に支障をきたす場合においては、骨強制術や骨延長術などの手術を行い日常生活に支障がでないようにします。
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