耳性帯状疱疹/ラムゼイ・ハント症候群の症状

耳性帯状疱疹は、初期症状として耳の周囲や耳の後部に違和感や鈍痛が現れます。その後数日すると、耳介や外耳道に帯状疱疹の紅斑をともなった小水疱ができます。この小水疱は耳介の外から見える部分にできることが多く、特徴的なのは片側の耳だけに現れます。発熱や寒気などを伴い、激しい耳の痛みを伴います。また、顔面神経麻痺や難聴・めまい(内耳神経症状)も伴います。
  
この帯状疱疹が三叉神経領域・舌咽神経領域まで達した場合には、激しい耳の痛みと嚥下時に痛みが生じ、水疱が治癒した場合であってもしばらくの間痛みが消えない場合もあります。また、軟口蓋等の口の中にも発生する場合があります。

耳性帯状疱疹/ラムゼイ・ハント症候群の原因

耳性帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされます。幼少期に水疱瘡感染した時に水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が顔面神経膝神経節、前庭神経節、頸髄神経節などに、水疱瘡が完治した後も潜伏します。
  
通常これは活性化しないのですが、身体的ストレス、精神的ストレス、免疫力低下、日光照射・発熱などの刺激、糖尿病の悪化、免疫抑制剤の使用などを契機として、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化し、帯状疱疹が現れます。なお、この水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化するメカニズムは現在明確には解明されていません。
  
このうち、特に水疱が耳介・外耳道に発生しするものを耳性帯状疱疹といいます。

耳性帯状疱疹/ラムゼイ・ハント症候群の治療法

原因が水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)と明確になった場合には、抗ウイルス薬(アシクロビル)が投与されます。加えて炎症を鎮静化するために、副腎皮質ホルモンの投薬。その他、ビタミンB12剤、鎮静剤の投薬や水疱が発生した部位への軟膏の塗布が実施されます。
  
また、顔面神経麻痺が発生した場合には、顔面マッサージが行われます。それでも顔面神経麻痺が改善されない場合には、(患者が希望した場合には)顔面神経減荷術という手術を行い、顔面神経麻痺の回復を図ります。