真性多血症/真性赤血球増加症とは
真性多血症は慢性骨髄増殖性疾患の一種です。すべての血液細胞の元である造血幹細胞が腫瘍化することによって引き起こされる病気で、赤血球の著しい増加が見られます。また、白血球や血小板の増加を伴う症例も少なくありません。血液の粘度が亢進し、循環障害を合併する場合があります。
真性多血症/真性赤血球増加症の症状
真性多血症の代表的な症状としては、眼の充血、皮膚のかゆみ、頭痛、耳鳴り、めまい、高血圧、顔が赤くなるといったものが挙げられます。人によっては寝汗が多くなったり皮下出血があったりといった場合もあります。また、併発しやすい病気としては、脳梗塞、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、深部静脈血栓症など重篤なものが目立ちますので、早めの対応が欠かせません。そのほか、脾臓の腫れを見せることが多々あり、このケースでは腹部の圧迫感や膨満感を覚えることもあります。
真性多血症/真性赤血球増加症の原因
真性多血症は太古から存在していた病気ですが、その発生メカニズムは長い間ほとんどわかっていませんでした。21世紀に入ってからようやく、「JAK2」と呼ばれる遺伝子の異常が原因だという説が有力だと考えられるようになりました。患者の97%にJAK2の遺伝子変異が認められていることから研究が動き出し、現在もメカニズムの解明が進んでいるところです。なお、遺伝子と密接な関係のある疾患ではありますがいわゆる「遺伝疾患」ではなく、子孫に遺伝するものではありません。
真性多血症/真性赤血球増加症の治療法
現在のところ、真性多血症は予防することも完治させることもできない病気です。最善の対策としては早期発見が求められますが、真性多血症の自覚症状は日常的に馴染み深いものが多いため、重度になるまで発見されないというケースもあります。そのため、定期的な血液検査が必要です。治療することなく放置していると1ヶ月程度で死に至る重大な病気ですが、適切な治療を受けてさえいれば病状のコントロールはさほど難しくなく、多くの患者は通常の生活を送ることができます。
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